第75話 元おじさん・・・頭を悩ませる。



 朝、清々しい気持ちで起きたが昨日の夜にラヴィが見せてくれた錬金術により作製したマジックアイテムが中々頭を悩ませる物だった。


 エントリーナンバー1

 ・劣化版エリクサー:HP・MP・SPの完全回復、欠損部位の完全再生(生存している事が条件)、状態異常・病気等の完全回復、以上の効能が在る。(エリクサーと違い呪いの解呪、寿命の延長は出来ない)


「報告します、現在所有する素材で生産出来る最上級の回復アイテムです」


 おふ、もうこの段階の回復アイテムが生産出来るのか、おじさん驚いたよ!

 因みに完全版のエリクサーは素材があれば可能なのか?


「回答します、素材があれば可能です、エリクサーは劣化版の効能に呪いの解呪、寿命の延長等が追加されます。

 更にハイパーエリクサーになると肉体を全盛期の姿に変化させ長期間その状態を維持し寿命も更に延び、運が良ければユニークスキルも習得出来る事もあります」


 ・・・ソレハスゴイネ。


「追加報告します、ただし作製するには神の奇跡でも無い限り無理ですが、ダンジョンでなら余程の幸運が有れば宝箱から入手出来るかも知れません」


 ・・・ソウデスネ。


 エントリーナンバー2

 ・悪臭玉EX:捨てるしか無い不快な匂いの素材から悪臭と呼べるものを抽出してスライムフィルムでボール状に覆い魔法処理を施した消耗品型のマジックアイテム。


 通常時は強い衝撃でも割れる事は無いが持った状態でMP1消費する事で軽い衝撃でも割れる様に変化します。


 スライムフィルムが割れると内部の液体が周囲に飛び散り悪臭を振り撒きます。

 嗅覚の鋭い者や動物は離れていても強い吐き気、目眩、意識の混濁、長期の食欲不振、気絶、呼吸困難等の被害を受けます。


 ましてや直撃しようものなら嗅覚が無い者以外は悶絶する事間違い無し、ただし自分自身にも被害が出る場合が在るので注意。


 ふと周囲を見ると・・・ナンデミナサンハナレテミテイルノ?


 その後、悪ふざけで追いかけて行ったら琥鈴とノワにしこたま怒られた。


 なお、王都等の大都市で使用した場合、都市機能を簡単にマヒさせる程度の威力が在るらしい・・・化学兵器かな? 封印決定です!


 エントリーナンバー3

 ・魔導小銃:必要金属が揃ったので以前の自動小銃を解析して錬金術と魔導工学を使用してこの世界に都合良く魔改造した小銃。


 弾丸も魔法付与された特殊弾を使用して命中すると魔法効果が発動する優れ物。

 まだ試作段階なので中威力程度の魔法しか撃ち出せないが更にランクの高い希少金属を使用すれば更なる強化が見込めるだろう。


 ・・・もう小銃じゃ無いよねコレって、う~ん暫く保留で!


 今回はこれで終了だったがどれも公には出来ない品物だった。


 そんな昨日の出来事を考えながら、納豆ポン酢たまご掛け御飯を掻っ込みながら朝食を済ませた。


 全ての支度を終わらせて26階層の探索を開始する。


 今までと違った景色に新鮮さを覚えながら周囲を警戒しつつ先に進む、ラヴィから事前に聞いた情報だと26階層にはレッドキャップとキラーバットが出て来るそうで同族同士で連携して攻撃して来るらしく複数での戦いと別種族からの攻撃も警戒しないといけない。


 まぁ大概は採掘の音に釣られてそっちを優先的に襲うそうだが、おじさん達はストレージで収集するから音も立てずに根こそぎ採掘出来てしまう。


 ゴメンね他の冒険者の皆さん、一日すれば鉱脈も回復するそうなので運が悪かったと思って下さい。


 ただついでにレッドキャップとキラーバットはそれなりに討伐する予定だけど。


 そして只今のおじさんの武器はガチャカードを合成した木剣プラス+10、最大値まで上げてみた。


―――――――――――――――――――――――

 木剣+10:硬くて丈夫な木の剣

 ・攻撃力:5

 ・耐久:(100/100)

 ・攻撃力、強度、耐久、速度、命中、に+10の補正が付く。

 ・魔法付与が+10増やせる。

 ・固定ダメージ+10が付く。


 ・強度中強化付与

 ・命中中強化付与

 ・硬度中強化付与

 ・自動修復付与

 ・魔法抵抗付与

 ・攻撃強化付与

 ・パリィ中強化付与

 ・偽装付与

 ・帯電効果付与

 ・スタン攻撃付与


――――――――――――――――――――――


 色々盛り込んだなぁ、やり過ぎた感は在るが問題無いだろう。


 さて、まずは試しに近くのレッドキャップ3体を襲撃しますか。


「1体は自分がヤルから残りの2体は任せるね」


「ニャ!」「ミャ!」「キャン!」


 じゃあ後方から奇襲を掛ける! レッドキャップはおじさんに気付く事無く木剣の一撃で首を折られたのちに死亡し他のレッドキャップもチャチャ達に討伐されていた。


 ふむ、使い勝手はそこそこ良いかな、木剣なのに帯電しているとか可笑しな木剣だけれども、スタン攻撃や帯電の効果で反撃が出来なかったり遅れたりするから対生物には有効かな?


 不意を衝くには持って来いだな、良し次々行ってみようか!


 こうしておじさん達は鉱脈を吸い上げ、レッドキャップとキラーバットを見つけ次第討伐して、冒険者からは身を隠し27階層へと降りる階段へと到着した。


 アイテムドロップの確認は後にしてそのまま27階層へと足を進めた。


 27階層は26階層と大した差は無かったがダンジョンモンスターが強くなるようなので警戒して行こう。


 

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