第66話 元おじさん・・・コロコロしている。



 ああっ、まだ臭いが残っている感じがする、『浄化』!

 ・・・良し、臭くない!


 22階層に到着してやっと人心地が付いた、この階層はマップに冒険者の反応が幾つか在る様だ。

 

 この階層にはどんなダンジョンモンスターが出現するんだ?


「解、アクアリザードと呼ばれる水属性のオオトカゲです。

 攻撃方法は嚙付き、体当たり、爪攻撃、尻尾攻撃、水弾ブレスが在ります。

 ドロップアイテムはアクアリザードの皮、アクアリザードの爪、アクアリザードの牙、アクアリザードの尻尾、アクアリザードの肉、魔石(小)、スキルオーブ:水生成Lv1、宝箱等が入手できます。

 特にアクアリザードの皮とスキルオーブ:水生成Lv1は非常に人気の在るアイテムです」


 成程、それは是非とも狩らねばいけないな! マップを確認して手早く狩って行こう。


 ・・・アクアリザードは、思いの他多彩に動いてきて手強い段々慣れて来てパターンが読めては来たけれど。

 移動速度は速いし、離れた距離からも移動しながら水弾ブレスを撃って来るし、接近しても全身を使って絶え間無く攻撃を繰り出して来るし、何よりこれだけ動き続けられるスタミナが凄い!


「解、アクアリザードは体力値が高いので持久力は高いです、さらに水を操作して体を冷やし体温の急激な上昇を抑えながら疲労を軽減しています、その為ダンジョン以外の場所で生息するアクアリザードも長期戦になりがちで素材を綺麗な状態で入手するのが難しく中々良い品質の物が手に入りません、ですがダンジョンでのドロップアイテムは傷の無い状態で皮等が入手出来るので革製品を扱う職人や商人が高額で依頼を出します」


 アクアリザードの皮って需要が高いの?


「解、防水撥水性に優れ、手触りも良く、加工のし易い素材です。

 鞄、野外道具、コート、水気が厳禁な品物を収納する入れ物のカバー等、使い道が多数在り現在品不足の様です」


 じゃあ出来るだけ多めに討伐して行こうか!


「了、出来るだけ傷付けない様に仕留めて下さい」


 まぁ大分慣れて来たから善処します。


 ・・・それから22階層を他の冒険者達との遭遇を避けつつ探索し、目についたアクアリザードを狩り続けて行った。


 23階層への階段手前に到着する頃には、かなりの量のドロップアイテムと宝箱が3つ手に入った。


 22階層で2つ既に入手しているので合計5つに為る、ランクは全てDランクで罠やカギについては一度ストレージに収納してラヴィが全て解除した。


 (21階層の宝箱)

 ・銀貨50枚

 ・低級HPポーション×3

 ・聖水(低)×5

 ・帰還珠(1/1)×2

 ・聖銀のナイフ


 (22階層の宝箱)

 ・銀貨150枚

 ・低級MPポーション×4

 ・マジック水袋(小)

 ・転移珠(2/2・22階層限定)

 ・アクアリザードのコート

 ・アクアリザードのブーツ


 そこそこ良い物が出た、聖水と聖銀のナイフは瘴気を祓ったり、アンデットに対してダメージ特攻が付いたりする。


 転移珠は指定された階層に転移する事が出来る、今回は回数制限在りのタイプだった。


 マジック水袋(小)はマジックバックの水袋版で液体限定で見た目よりも多い容量の液体が入る、マジック水袋(小)は内部温度一定(10℃)、重量10分の1に軽減、最大容量10ℓが付与されている。


 アクアリザードのコートとブーツは、雨天時や浅い水辺でも水分を弾いて濡れない様にする、遠出をする人達には必需品だろうな。


 どれも良い物だと思うがおじさんの場合、もっと良い物が有るから偽装用か売りだな。


 宝箱の中身の確認も済んだので、23階層へと進んだ。


 階段を下りて23階層に到着すると近くの通路を大きな球体がゴロゴロと通過して行った。

 ・・・何アレ?


「解、ストーンバグです。 石コロ虫とも呼ばれます。 マスターに分かり易く説明すると、表面が石の様に固いダンゴムシです」


 成程理解した、でもどう見ても石ころじゃないよね? 直径2mの球体が結構なスピードで転がって行ったぞ。


「解、少々訂正します、石コロ虫は俗称です、始めは石転虫いしころむしでしたが、被害が増えるごとにその内、石殺虫イシコロムシに成りました」


 物騒だなおい!


「告、他にも岩殺虫ロックバグとか鉄殺虫アイアンバグ等が居ます」


 別系統も居るんだ、これ他の冒険者達はどうやって進んでいるんだ?


「解、ダンジョン通路自体が横幅5m程は在るので躱すか、盾持ちが盾でらして軌道を変えたり、余程の○○でない限り正面から受け止め様とする者はいないでしょう」


 う~ん、討伐は難しいかな?


「解、物理攻撃ですと難しいかと思われます、硬い表皮に直径2mの大きさの塊が勢い良く転がって来ますのでまともに衝突しますとかなりの衝撃に成りますのでおススメ出来ません。

 ですので遠距離からの魔法攻撃か、一度転がるのを止めてから攻撃するか等の方法を用いて討伐する事を推奨します」


 確かに無茶する必要は無いよな、魔法だったらどの系統が良いだろう? 火系、雷系、氷系辺りは通用するかな? 止めるとしたらどんな方法が在るかな?


 う~ん、取り敢えず考え付く事を試してみるのも面白いかもな。


 無視して行くのも一つの手だけれども、折角だし今回は色々と試してみよう今後も似た様な事が起こるかもしれないし、今の内に経験を積んで置こう。


 さて、何から試そうかな?

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