第30話 元おじさん・・・商業ギルドの攻防?



 精神衛生的なトラブルは在りましたがおじさんはゲンキデス。


 しかしデカイな。


「回答します、交易都市ですので人の出入りは多いですし激しいです。

 それに合わせて、商業ギルドの建物も大きくなったようです。

 実際に収益は大きいようです」


 金回りが良いとゆう事だね、良い事だ!なら何とかなるかな?


「回答します、おそらく大丈夫かと思いますが、一部を除き認識阻害を掛けて起きます」

 商人の巣窟だからね、油断は出来ないか。


 気持ちを引き締めて、商業ギルドへと足を進めた。

 建物内は、やはりと言うか人が多い、ラヴィの指示に従い受付の列に並んだ、ただ、おじさんの後ろにはその後誰も並ばなかった。

 ラヴィが何かした様だが、こちらとしては都合が良い。

 ようやく自分の順番が来た、受付のお姉さんは茶髪のケモミミだった。


「ようこそ、オルーマン商業ギルドへ。

 受付担当のルミエラと申します。

 今回はどの様な御用件でしょうか」


「クロウと申します、ギルドへの登録と自分が発案した(御免なさい嘘です)商品の仕様売り込みです」

 そう告げると、ルミエラさんは此方を見ながら、リュックサックに視線を留める。

「商品とは、今御使いの背負い袋の事でしょうか」


「これも含めて幾つか在ります(全てパクリです済みません)」


「!、かしこまりました、別室に御案内致しますので、其方そちらで商業ギルドの御説明と商品に付きましての御商談を致しましょう」


 ルミエラさんはそう告げると受付を別の方に任せて、別室へと案内してくれた。


「報告します、彼女ですが、B87W59H88、経験者、現在フリー安産型です」

 ラヴィさん、個人情報をポンポン出さないで!尾尻に眼が行きそうになるでしょうが!

「?、如何成いかがなされましたか」

 よし、気付かれていない。

「いえ、少々考え事をしていまして、同じ様な商品が出ていないか確認は出来ますか?」


「はい、それらも含めての御話合いです、では此方の御部屋に成ります」

 個室へと案内された、室内は清潔感が在り落ち着いた雰囲気だ、豪華では無いがしっかりとした作りのテーブルとソファーが在り、ソファーに座る様に勧められた。

しばらくしましたら、商品登録についての担当者が来ますので、その間に商業ギルドの説明を致します」

 

 ルミエラさんからの説明では。


 ・商業ギルドとは、国を超えた組織で在り商業関係の神々の恩恵を受けた一種の神殿の様なものであり権力も大きいが責任も大きい、ギルド幹部達はその責務をまっとうしているらしい。


 ・勿論そのやり方に賛同出来ない商人も居るので独自に商売をしている者も居るがちょっかいを掛けて来なければ、相互不介入だそうだ、でも商業ギルドに睨まれてまともに商売出来るとは思えないがな。


 ・商業ギルドにもランクが在り、商人の場合は。

 

 鉄ランク:行商人、屋台

 銅ランク:個人商店

 銀ランク:小規模商会

 金ランク:中規模商会

 白金クラス:大規模商会


 ・ランクによって登録料、年会費、税金等が違う事。


 ・年会費と税金は、初年度は1年以内に収め、それ以降は毎年更新日(登録日)までに収め、滞った場合は更新されない事。


 ・徴収した税金は、商業ギルドで責任を持って各国に納めている事。


 ・これらの納税により、各国での入国税・入街税の軽減又は免除がされる事。


 ・違法な取引、不正を行った場合は処罰や罰金、除名処分になる場合もある事。


 ・ギルドカードを紛失すると再発行に手数料がかかる事。


 ・商業ギルド内で有効な銀行システムが在る事。


 ・仕入れの相談や店舗の増設、不動産案内やその他の相談等の様々な事にも対応してくれる事。


「以上が大まかな説明に成ります、もっと詳しい事を御知りに成られるのでしたら、商業ギルド発行の〈商業ギルド規則〉(定価20,000パル:金貨2枚)を御購入下さい」


 ・・・これ、知らないと駄目だろうか?

「回答します、購入しなくても問題ありません、今の説明で十分です。

 必要な事は、私がサポートします」

 さすがはラヴィ、頼りにしています。


「クロウ様は、どのランクが御希望ですか」


「鉄ランクでお願いします」


「承知しました、では登録料5,000パル(銀貨5枚)、現在必要になります。

 その後、1年以内に年会費10,000パル(金貨1枚)、税金20,000パル(金貨2枚)お支払い下さい。

 紛失されますと、再発行手続きと手数料合わせて10,000パル(金貨1枚)掛かりますのでご注意下さい」


「じゃあ、一括して払います・・・35,000パル(金貨3枚、銀貨5枚)に成ります。

 確認お願いします」

 一括分をルミエラさんに渡した、冒険者ギルドの儲け分をほぼ消費した。

 必要経費、必要経費。


「・・・確かに35,000パル御座います、それでは只今ギルドカードを発行してまいりますのでお待ちください」


 そう言って、お金を持って退室するルミエラさんの尾尻を見送り、独り(従魔は例外)に成った室内で喉が渇いたので、木製のコップと革の水筒(外側が革で内側は魔法瓶)を出し、冷えた緑茶をコップに注いだ。

 水筒はすぐに片付けて、緑茶を飲んだ渇いた喉に冷たい緑茶が美味しい。


「報告します、マスター現在此方に2名接近しています、コップを片付けて下さい」


 ラヴィの報告で、中身を飲み干しコップを片付けた。

 その後直ぐにコンコンとノックがされたので返事をして入って貰った。

 ドアが開くと、ルミエラさんともう一人女性が居た。

 その女性は、長身の綺麗な方で赤い髪が印象的な女性だ。


「初めましてクロウ様、わたくし商品登録及び商品契約担当のターチアと申します。

 この度の商品に関する御話合いどうぞよろしくお願い致します」

 こちらも立ち上がり。

「改めまして、クロウと申します、此方こそお忙しい中、御時間を頂き有難う御座います。」

 お互いに挨拶も交わしルミエラさんに着席を促されたので双方席に着いた。

 さて、いよいよ商業ギルドに来た目的を果たすかな。


「報告します、ターチア嬢ですが、B90(パッド)W61H88、10は盛っています、しかも処女です」

 ごふっ、ラヴィさんこのタイミングで余計な情報を伝えないで、パッド事を悟られない様に誤魔化さないと、話が拗れ兼ねない。


 こ、このままじゃあ、目的果たす前に追い出されるよ。

 



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