第19話 元おじさん・・・戦闘する。



 おじさんは、只今簡易の射撃場を作っています。

 マヨヒガの在る亜空間の外側ギリギリの地点構築中です。

 まぁ、土魔法で土壁を作り的を付けて、100m先に射撃用の台座を作っただけだけど、しかしこの亜空間広いな半径1000ⅿとかおかしくないか、まさか付属でまた何か建つんじゃないだろうな。

「回答します、予定は在りませんがその可能性も在ります。」

 ・・・あるんだ。


 準備も出来たので、射撃を始めよう先ずはついて来た2匹に絶対に銃口から前に出ない様に言い聞かせた!危ないからね。

 ついでに耳を塞ぐようにも伝えた。


 取り敢えず、自動小銃の射撃を行った、まずは姿勢の安定する寝撃ち。


 ターン ターン ターン


 3発撃ってみたがおかしい、まだ照準の調整が出来ていないのに中央付近に当たっている、なにより100m先の的が確認できている。


「回答します、マスターの身体能力の強化とスキルによる補正によるものです。

 ですので、生前の感覚とは別のものとなります」


 スキルすげぇ、以前だったら射撃の腕は中間位だったのに、そして同時に怖いなこんなの増長するぞ!・・・おじさんは気を付けよう。


 それから、しゃがみ撃ち、立ち撃ちを試したがほぼ狙った所に当った。

「チャチャ、ノワ、音うるさかったか?」


「ニャー」 「ミャー」

 うるさかったらしい。・・・ラヴィ魔法で何とかなる?


「回答します、可能です、防音魔法や音波遮断の魔法が在ります」

 ・・・なら問題無いな、では実戦だ!



 約2日振りの外出です、猫2匹も興味津々です、只今ゲート前での索敵を開始します。

「ラヴィ、周囲の状況はどんな感じだ」


「回答します、周囲200mに敵性反応なし、小型の獣が13体反応在り、! 森林の奥約250m付近魔物の反応在り、隠密系スキルを使用します、周辺マップを表示します」


 確かに脳内マップに魔物の表示で赤い点が在る、確か点滅するとこちらに気付いた事を知らせる表示だったはず、他の表示は確か青が味方、黄が中立、赤が敵、緑はその他だったかな、じゃあ赤以外の緑は獣かな。


「回答します、その認識で結構です」


「赤と緑の種類は判る?」


「回答します、緑は〈森ウサギ〉〈黒リス〉、赤は〈ゴブリン〉です、現在、森ウサギを狙っています」


 行き成り人型か、数はどの位だろう?

「回答します、1体のみです、! 今狩りに失敗しました。

 対象を追いかけながらこちらに接近中、待ち伏せますか?迎え撃ちますか?それとも中止しますか?」


「・・・・・・待ち伏せて狙撃する、ラヴィ、狙撃ポイントを表示してくれ、チャチャ、ノワ、自分の後ろで待機、狙撃失敗の際は迎撃頼む」


「了解しました、戦闘モードに移行します、マップにポイント表示」


「ニャ!」「ミャ!」


 マップに従ってポイントに移動だ、おっと!気配も消さないとな、あれ?タイマー表示されてる。


 01:56


「解、制限時間以内にポイントに到着して下さい」

 良し行くか!


 01:02

 ポイント到着、〈スキル:鷹の目・ターゲット・神羅眼〉発動


 ___________________________

 

【種 族】 ゴブリン


【年 齢】 1歳


【性 別】 ♂


【状 態】 興奮状態・発情状態


【レベル】 3


【心体力】


H  P:18/24


M P:16/16


S P:18/18


筋 力:7


攻撃力:7


体 力:5


防御力:5


知 力:3


精 神:5


速 度:6


器 用:3


魅 力:3


幸 運:11


【スキル】


・悪食:Lv5 ・絶倫:Lv1 ・異種交配:Lv1


【補 足】


・悪意と魔素が交わって生まれた魔物、全ての生き物が欲求の対象、繁殖力が高い。

・天然物とダンジョン物は若干違いが在る。


 __________________________


 ん?んん!・・・ラヴィ、何かさかってる、全裸で森ウサギ追いかけてる。


「解、性欲を発散させる相手を探していたようです、何時でも狙撃可能です」


 あ、はい!・・・ふぅ、呼吸を整えて、スキルで対象を補足、消音魔法発動、あっ対象がこけた!起き上がる瞬間を狙撃する、呼吸を止めて集中、引き金を後ろに引く。

 !

 軽い衝撃のみで音が一切しなかった、胸部に命中を確認、ゴブリンは胸部に命中した弾痕部分をキョトンと見つめ前のめりで倒れた。


「対象HP0を確認、死亡しました」

 鑑定で確認できるのって、余計な追撃しなくて良いから便利だよな。


「解、偽装される可能性も在りますので、状況に寄ります」

 そうでしたか、済みません。


「周囲に敵性反応無し、警戒は解かずに対象に接近して下さい」


 近くで初めて、ゴブリンを見た、自分の武器を試したい欲求で殺した相手・・・

「マスター、ゴブリンは放っておくと際限なく増えます、そして、見境なく襲います」


「うん、分かってる・・・ただの自己満足だから、・・・ここは弱肉強食の世界だから!」


 よし!覚悟は決まった、ゴブリンを収納?あの、何してるの君達?

 2匹がしきりにゴブリンの臭いを嗅いで、口を開いたまま固まった、フレーメン反応だな、そしてすぐさま逃げた、臭かったらしい。

 取り敢えず収納!2匹は後ろで鼻を擦っていた、仕草が可愛い。


「ラヴィ、状況終了!マヨヒガに戻るよ」

「了、戦闘モードを解除、通常モードに移行します」


 マヨヒガに戻ったら話し合いだな。




「ラヴィ、銃はこの世界で通用しそうかな?」


「回答します、現時点ではデータ不足ですので明日以降も複数の戦闘を行う事を推奨します」

 まぁそうだよね、あれだけじゃ判らないよね。

「ゴブリン戦は、あんな感じで良かったのかな」


「回答します、状況的に問題無いと思われます。

ただ、収納したゴブリンを鑑定した結果、弾は貫通していませんでしたので銃が通用する魔物は少ないかもしれません」


「元々、負傷させる事が目的の一つの自動小銃だから貫通性は期待できないけど、口径を上げても通用するかは検証次第だよな、皮膚や体毛、脂肪や骨が固い魔物にどれだけ通用するか、駄目ならこだわらずに魔法やルドラガの武器に移行だな」


「提案します、ストレージに自動小銃を収納し鑑定系スキルで解析後、ルドラガ産の素材を使用してこちらに都合の良い武器に仕上げる事も可能です」


「え!そんな事出来るの、じゃあ作り変えてから試した方がいいかな」


「回答します、現時点では素材が足りませんので出来ません、解析と改良にも時間が掛かります、データは必要ですので明日の検証は実行してください」


「そうだった、素材レッサードラゴンとゴブリンしか無かった、金属系がまるで無かった、素材の収集もしないといけないな」


 うわ、やる事が増えていくな・・・でも、楽しくなってきたな。

 自分のやりたい事で忙しいのは遣り甲斐が在ってわくわくするな!


 明日が楽しみだ!

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