第18話 元おじさん・・・ラヴィとスキル検証



「ミャア」

「ノワ~降りてくれない?」

「ミャ!」

 断られた、ノワ絶賛おじさんの頭にしがみ付いている、いわゆる肩車状態だ。

 ノワは子猫の時から人の上に登るのが好きだった、服を着ている時はそうでもないが、風呂上がりのパンイチの時は悲惨(爪が肉に)だった。


 現在はそんな事も無く器用に登っている、魔力指と呼ばれる〈スキル:猫の魔力操作〉を用いた技術で短い指の代わりに器用に動かし爪を立てずに飛び登って来た。

 今も魔力指でしがみ付いている。


 離れてくれそうも無いので、チャチャに説得してもらおうとしたがいない。

 ・・・あれ?本当に見当たらない・・・あ!いた。


 見つけたが、木陰で丸くなって寝ている・・・まぁこのままでも良いか。

 

「じゃあ、スキルの確認を始めよう」

「了解しました、ユニークスキル:魔導神装について・・・」


 魔導神装は魔力を物質化して、使用者の考えたに合わせて自由に武器防具を作り出す事の出来るスキルで、使用者の能力値(筋力・体力・精神力・速度・器用)をMPの最大値分上昇させる。

 ただし、制限時間が在り(レベル×1秒に付きMP1消費)オーバーすると強制解除されるそうだ。

 おじさんのイメージ的に、日曜日の朝のヒーローになれるスキル?

 MP・SP消費して必殺技も使えるらしい。

 装備のデザインについてはラヴィがそれぞれを仕分けして記録しておくので忘れる心配は無い。


「自分的には、チートっぽいけど、ラヴィはどう思う」

「回答します、チートとは言えません、完全なMP依存のスキルです、現在のマスターが使用するから異常に思えるのです。

 通常なら大した数値の上昇も無いですし、しっかりとしたイメージ力と記憶力が無いと毎回別の装備になりますし、使用時間も1分程度さらにMP切れもあります」


 ・・・・・・あれ?言われてみればそんな気がする。

「このスキルは、マスターの様な若干チートっぽい人物が習得すると強力ですので使用者を選びます」

 ん?・・・なんかディスられた。


「回答します、その様な事はありません、私はいつもマスターを敬愛しております、・・・では次は、ユニークスキル:戦乙女の箱庭について・・・」


 戦乙女の箱庭は戦乙女を召喚して使役(便宜上の使役で強い強制力は無い)する事が出来るスキルで、使用者は戦乙女を強化し育成して女神ルーシアの元へ送り出す事でランクが上がり、より強い戦乙女を召喚する事が出来る。


 ・・・あれ?これって育成型のギャルゲー?


「回答します、しかもR-18指定です。

 ヤッてしまった場合は、「責任を取って面倒見るように!」との事です」

 ・・・あれ?育成型のエロゲーに変わった!


「追伸です、戦乙女の人数が現在少ない(条件の良い婿が居ない)ので、がんばって欲しいそうです」


  ・・・・・・つぎ、いこうか。


「了解しました、ユニークスキル:花茶会への扉について・・・」


 ドゥジィンさんいわく、時が来たら御招待致します♡

 以上だそうだ。

 ・・・何の花なのかな?怖いな~。


 次、お願いします。


「了解しました、ユニークスキル:創造の煌めきについて・・・」


 創造の煌めきは生産系補助?スキルで生産者の能力向上、生産物の効果・品質・ランク・レアリティ・隠し要素、が上昇するスキル。


 例えば、錬金術Lv1でポーションを作っても大した物は作れないし、失敗もする。


この世界ルドラガでは、ポーション類だと、特級・上級・中級・下級とあり、錬金術Lv1だと下級が精々で効果も低い。


 しかし、この創造の煌めきは、下級ポーションしか出来ない材料で中級ポーションが出来たり、この製法では効果が低い物しか出来ないのに高い効果の物になったり、効果が最大値に上昇したりと、通常の常識や法則が全く適用されない。


 しかも、Lv1でこの性能、レベルが上ればポーションを作ったはずなのに、レアリティが上位の回復アイテム(エリクサー・秘薬等)に成っていたなどという事になるらしい。


「このスキルってパッシブスキルだよね、しかも自分で調整出来ない」


「回答します、常時発動型です、Lv6から徐々に調整できるそうです。

 一応ストレージ内で私が生産する分には、範囲外だそうです」


「おじさんの生産した物って市場に出せないじゃん」


「回答します、こんな事も在ろうかとドゥジィン様がスキル:ON/OFFを用意して下さいました、これはスキルの発動を文字道理ON/OFF出来ます」

 ドゥジィンさんは、まさかこれを見越して用意してくれていたのか。


「回答します、それはたまたまだそうです、ですが常時発動型パッシブスキルには厄介なモノが在るのでそれらに対して試験的に用意したそうですので、ガンガン使用して、使い心地をレポートして欲しいそうです」


「たまたまでも、ありがとうございます、助かりました、と伝えておいてくれ」

「了解しました、これからもガンバッテね!との事です」

 やっぱり、繫がっているんでしょ。


「回答を拒否します、次はスキル:ストレージBoxDXデラックス極に統合されている、スキル:シルバーBox及びスキル:ガチャについて・・・」


 まず先に、分かりやすいガチャから、文字通りガチャだった。


 ノーマルガチャで、MP10消費して1回分、MP100消費して11連まわせるそうだ、さらにピックアップガチャや高レアリティガチャ等在るが、ノーマルガチャよりも10倍位MP消費が高い、おじさんのMPでは11連はまわせない。


 するとラヴィがストレージ内にMPタンクが在り、随時おじさんの余剰MPをMPタンクに蓄えているそうだ、さらに収納中のレッサードラゴンの不要物をMP変換して蓄えているらしい、流石ラヴィ。


 ガチャに関しては、実際に回す時にさらに説明するらしい。


 シルバーBoxもMP消費で武装を開放するスキルらしい、ただし、開放されるのは地球の近代武装で銃火器が主だ。


 これは、自分のスキル:総合戦闘術〈地球式〉がほぼ使えないのを日本の管理者神々が考慮して用意してくれたそうだ、と言うていで渡された在庫処分らしい。


 まず消費MPがデカい、100MP消費で小銃1丁開放、弾は別扱い。


 その他についても数字が可笑しい、MP消費1万とか1億とかが幾つも在った。

 取り敢えず、小銃が使えるかどうか試してみよう。


 ちょっとワクワクするけども。


 

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