第7話 通常の6倍・・・おじさんそんなに速くないです。



「マジで6倍ですか?」

 未だ信じられずに再度訊ねた。

「はい、【祝福P】しゅくふくぽいんとの高い方で6倍、低い方では…なんと24倍!」

 楽しそうに語るドゥジィンさんだった。


【祝福P】しゅくふくぽいんと75Pですか、少なすぎません?」


「いいえ、ひっちー様が特別多いだけで、今回の召喚者様達では最高値で300P、最低値で75Pですね、本来でしたら最低値は100Pだったんですが、御本人様が少々悪ノリ致しまして、結果25P失いました」


「わぁ、何したのそいつ」


「その場のノリで被害者に暴力を振るったそうです」


 ・・・もしかして、あの3人組の1人か?おじさんも関係してる?うわぁ、逆恨みされそう・・・うん、いざとなったら逃げよう!

 そう心に決めて、でも一応学生達の方を見た(小心者なので)。


 ・・・・家政夫おじさんは見た!めちゃくちゃ睨まれてる~!3人組全員から!


「大丈夫ですよ、彼らはこちらにはもう手を出せませんから、何せこれからの人生に係る事なので、これ以上【祝福P】しゅくふくぽいんとを失いたく無いでしょうから、それに各担当者がそれをさせません」

 ドゥジィンさんが微笑みながら説明してくれた、でも向こうで会ったら絡まれそう。


「それでは、まずひっちー様に【祝福P】しゅくふくぽいんとについての説明を致します」


 説明によると【祝福P】しゅくふくぽいんととは、神々が人々の成長とさらなる発展を願い与える祝福を分かりやすく数値化しポイント制にしたものらしい。(こちらの世界は本当に至れり尽せりで優しいなと思ったが、どうもある程度贔屓しないと簡単に滅びかけるらしい、・・・おい、どんだけ厳しい世界なんだよ)


 【祝福P】しゅくふくぽいんとには2種類在り、通常Pポイントと特殊Pポイントと呼ばれている。

 通常Pポイントはレベルupで付与される、一回のレベルupで付与されるポイントは1P~10Pと差が有るらしく、人々は神の気まぐれと考えているらしい。(なんとなく予想は付くがまぁ良いか)

 特殊Pポイントは神々あるいはそれらに類する者によって付与される、神託・試練・使命・依頼・願い・他等を達成する事でポイントが付与される、一度に付与えられるポイントはそれぞれの裁量に任されているが10P~100Pまでと決められているそうだ。

 ちなみに、初回限定Pポイントは召喚者限定で生前の行いや境遇、将来性や努力の結果等を参考に付与されている、持ち越しは出来ないので使い切る様にとの事だ。


 そして、おじさんの初回限定Pポイント:1800Pだが内訳の内容結果。

 ・おじさん本来の初回限定Pポイントは200P(妥当だ)

 ・おじさんを襲った3人組からそれぞれ25P(逆恨みされそう)

 ・事故に巻き込んだドライバーから25P(これはしょうがない)

 ・ルドラガ側から500P(多いな!)

 ・地球(日本)側から1000P(さらに多いな!!)

 ・合計で1800P(ドドォ~ン!!!)


 使い切れるかな?不安になりドゥジィンさんに相談したら。


「わたくしにお任せ頂ければ、ひっちー様のご希望に沿ったライフプランをご提供出来ます♡是非とも御一考下さい」

 頼もしくもあり、若干不安もあったがお任せする事にした。


 

 

「それでは、ステータス関連の説明も済みましたのでここからは、こちらが提供します3つの選択肢をお選び下さい」


 1、ステータスの調整、スキル選択を済ませて世界に降り立つ。(想像していたのはコレ)


 2、ステータスの調整、スキル選択を済ませて赤子から始める。(異世界転生というヤツだな)


 3、ステータスの調整、スキル選択を済ませて何処かの国・団体・個人に召喚される。(異世界召喚モノだな)


 この中から選択するらしい、それ以外は却下だそうだ。(それでも盛り沢山だなぁ)


 1、については、肉体は用意されるが異世界転移だろ、自己責任だが自由度も高い、初回限定Pポイントが多い者や生前での習得スキルが良い者は有利だろう、世の中平等なんて無いのでこれはこれで、良し!


 2、は少し特殊で転生先の種族を選んで、現状安全な母体の元へ、まだ他の魂魄が入っていない赤子へ転生させるらしい。

 ただ、出産までは意識を失い、誕生後の意思と記憶は0~9の十面ダイスで決められ(おい!)、出た数字の年齢に到達すると覚醒(スキルも含め)するそうだ。

 そして、覚醒年齢の数字が大きい程、覚醒前後の意思に影響があるらしい。(混ざるのだろうなたぶん)

 初回限定Pポイントが少ない者はコレもありだろう。

 安全な(現状)衣食住が手に入り、周囲の同年代(ダイス運による)よりも恵まれたスキル、スキルレベルも安全に上げられ、前世で得た知識と教養、立ち回り次第では天才と持てはやされ!生まれた家の格式によっては素晴らしい未来が待っている?うん、おじさんは無いな。

 

 3、はもっと特殊だな、まず召喚が行われるまで待機(意識無し)、神託の間での出来事の記憶の消去、さらにポイント無料で職 業ジョブ:英雄・勇者・賢者・聖人(女)・大魔導士・剣聖(各武器名が選べる)・拳王(各格闘技名が選べる)・魔王、どれか一つが選べる。(どれも通常の選択では100P以上掛かる)

 抑々そもそも、自分達がルドラガで初めての異世界召喚者なのだが、何故か古い昔からおとぎ話(話せば長くなる)が在ったらしく信じている者もいるらしい、過去にも異世界召喚は行われたがすべて失敗、それでも未だに続けられている(どんな方法を試しても成功はしないそうだ)。

 強い力のある神でも無い限り(それでも手順を踏んで)異世界召喚は出来ないらしい。

 今回希望者がいなければ、今回も失敗するらしい。

 初回限定Pポイントが少ない者でも強い野心や英雄願望があればこれもありだ(オマケも付くし)、国家や力の有る組織、異世界召喚の準備が出来る程の個人どれも強い後ろ盾だ。

 事故直後の記憶で召喚され混乱しても上手く冷静になり、上手く立ち回り利用される事も無く、相手を利用するだけ利用して美味しい思いをする、まぁ相手がそんなに甘い訳無いだろうが・・・やっぱりおじさんには無理だ!




 そんな訳で、おじさんは1番を選択するぜぇ~!

 

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