第4話 おじさんは悪くねぇ・・・悪くないよね?



 殴られました~。

 3人の男子高校生にボコボコに~。

 おじさん悪くないのに~。


 まあ、痛くは無かったけど(目覚めてはいないよ)。

 この空間では物理・魔法攻撃は無効化(ただし神様は別)されるらしい。

 騒ぎを起こした3人も現在、ファーシス様の補佐で現れた2柱の女神様に注意という名の威圧を受けていて白目向いています。


 事の起こりはいよいよ召喚者全員に説明しようとした時に、説明等の補佐として現れた女神が2柱、どちらも美神びじんで見惚れました(やはり自分は正常だった)。


 先ずは、魔導の女神シェルシア様、見た目は大人の女性で特にお胸が素晴らしい腰回りもクビレがありお尻のやわらかなラインが滑らかな太ももへと…素晴らしい。

 すみません、髪はうすい水色で何故かキラキラしている、少し目尻の下がった瞳は青色コバルトブルー、肌は色白でピンクの唇が艶かしい素敵です。


 次は、戦乙女の女神ルーシア様、見た目は薄めの褐色の肌、引き締まった身体それでいて薄っすらと見える女性らしい柔らかさ、銀髪を束ね、力強い深紅の瞳は吸い込まれるようだ。


 シェルシア様は体のラインがハッキリ分かるドレス(太もものスリットが素晴らしい)にローブを羽織っていて、ルーシア様は軽鎧?ドレスアーマー?(チラリと見える健康的な太ももが眩しい)にマントを付けているカッコイイ。


 補佐に現れた理由をルーシア様の話では、ファーシス様に任せると余計な事をして横道にそれ、話が中々進まないらしいなので彼女達女神さまが説明と監視の為に出てきたと説明された、その横でシェルシア様も頷いていた、ファーシス様は視線をそらしていた確かに最初のアレ(筋肉とか、筋肉とか)をまたヤルのは不味いかなと思う(自分も悪乗りしたけれども)。


 ファーシス様達の準備も整った様なので、自分は目立たないように全体の後ろの方へと移動した、そして、ファーシス様の呼びかけと共に他の召喚者達が目を覚まし起き上がる…案の定、場は混乱した。

 慌てる者、泣き叫ぶ者、喜び興奮する者、神々に食ってかかる者、落ち着く様に宥める者、不安を煽る者、何故かこちらを睨む男子高校生、青い顔で頭を抱える男性、モジモジしながら体を押さえる者、三者三様だ。


 ん?モジモジ?何で体を押さえているんだと考えながら観察すると数名の女子高生が胸と腰の辺りを押さえている、如何したのかと観察していると、ふと目と目が合った、すると慌てて隠れる子や睨む子もいた、何故だろうと考えた。


 あっ!ジャージは頼んだけれどは頼まなかった、はっ!すると女性達はいまだと!


 思わず想像してしまった・・・チョット興奮してしまいました。

 ごめんなさい、おじさんの配慮が足りませんでした、でも女性の下着の事まで考えられる程、おじさん女性慣れしていません、だからおじさんは悪くねぇ。


 おじさんが下着の事であれこれ考えている間に他の召喚者達が静かになったので視線を向けると、ファーシス様達が皆を落ち着かせていた(特にシェルシア様とルーシア様が軽い威圧のようなもので)。


「「」」


 にこりと微笑みながら話しかける、皆一様に首を縦に振る。こわい。


「では、説明いたしますね、質問は説明の最後に受け付けます」


 シェルシア様からの説明が始まった、内容をまとめると。


 1,彼ら彼女らは、高校の課外学習で目的地に向かう途中でバスが事故を起こし峠の山中に落下、さらに燃料に引火し爆発炎上、全員死亡したことが伝えられる。


 2、への説明が始まった途端、先程こちらを睨んでいた男子高校生がおじさんを指さし大声で叫びました。


「こいつだ!このおっさんが車でバスに突っ込んで来たんだ!俺は!こいつの所為で俺達は死ぬ羽目になったんだ!どう責任取るつもりだこのクソ野郎‼事故るならてめぇ一人で死にやがれ俺たちを巻き込むな‼」


 彼の叫びと共に全員の視線がおじさんに集中した、正直怖かったです、生まれて初めて(既に1度死んでいるけど)強い殺意や怒気、様々な負の感情がこもった視線を一斉にぶつけられたので少しパニック状態になり反論が遅れてしまいました。


 彼らにはその戸惑いの間が自分おじさんが事故の原因を肯定したと捉えたのでしょう、おじさんを弾劾(冤罪だよ)した彼とそれに続くように2人の男子高校生が殴りかかってきた。


「てめぇ、ふざけるなぁ!」「ぶちのめすぞ、おらぁ!」「ひゃっはぁー‼」


 若干、テンションのおかしい子がいましたがその後は殴られました、蹴られました、ボコボコです。

 しかし、おじさんはこう見えて(予想は付くと思う)元いじめられっ子です、処世術は心得ています。


 攻撃に対して流すように派手に見えるように魅せる、そして組み付かれないように捌く、ただし相手の方が優位だと思わせるように立ち回る。


 これがおじさんが小中高で身に着けた、いじめ(物理)に対する対処法だ!

 ただ、ボコられている間に「人殺し」とか「最低」とか「死ね」とか「変態」「スケベ」「イヤラシイ目で見ていた」「妊娠させられる」「ロリ〇ン」等と罵られたが、若干否定できない事もあり耐えるしかなかった(でも事故に関しては冤罪です)。


『いい加減になさい!貴方達は何をしているのか分かっているのですか!』


 ルーシア様の声が頭の中に響く、良く通る綺麗な声だ。

 ただ、周りを見ると3人組は頭を抱えうずくまり、他の人達も頭に手を当てていた。

 流石は女神様、おそらく精神的な威圧のような力を相手によって使い分けいるようだと感心していたら、

 『ファ〇チキ下さい。』(こいつ直接脳内に)とファーシス様が語りかけてきた。

 自分が視線を向けて反応すると嬉しそうに微笑んでいた。


 そんなやり取りをしている間に例の3人組はルーシア様とシェルシア様の前で正座させられていた周りの人達も戸惑いながら様子を見ていて、中には彼らを擁護しようとする動きを見せるが女神様達の威圧に負けて黙り込んでいた。


 ここからは、説教と共に事故の真相が語られた。


 要するにドライバーの男性が前日に深酒をして、二日酔いのままバスを運転したらしく、途中で集中力が切れ対向車線を越えて行き進んだ先でおじさんの車に正面衝突をかましたらしい、その後ドライバーの男性は学生達に向けて土下座をして謝っていた「ごめんなさい! ごめんなさい!」と頭を擦り付けて、それでも色々と非難はされていた、まあ自業自得だけどね。

 おじさんはそれで良いのかって、45年間色々(主に借金の返済)あり過ぎたからあまり未練は無いかな疲れていたし。


 そして、例の3人組の男子生徒だが、おじさんを指さした子は事故直前まで寝ていたらしく衝突直前に目を覚ました為、おじさんの車が衝突してきたと思い込んだらしく弾劾したそうだ(まだ納得していない様だけど)。

 他の二人は、女の子に良い恰好を見せたかったのとその場のノリで殴り掛ったそうだ(若いなぁ、下手すると自滅するよ、その発想は)。


 その後、罵声や非難を浴びせて来た数名の人達から謝罪を受けたので素直に受け取った(後で揉めたくないし)。



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