【二】自主企画なんぞわからない
自主企画はカクヨムの一つの強みだと思います。もともと、電子空間上ではタグという大変便利な発明品で物事を分類する仕組みがありましたが、これはあくまで機械的な分類でした。私が「世界崩壊した後の荒原を歩くだけの小説」をタグだけで探そうとしても、世界崩壊で調べるととても時間がかかりますから億劫です。
そんな中、自主企画で「世界崩壊した後の荒原を歩くだけの小説」を募集すれば、あとはそれを書いている人が気づいて投稿してくれるだけで分類が完了します。それもただの分類ではありません。きちんと人間的、知能的な分類です。あとはその他にも様々な活用ができるのも魅力でしょう。
ただ、歌に書いたように問題点があります。例えば相互評価。運営さんはそうしたものを見つけ次第公開停止などの処分を下すと書いていますから(そして実際行っているでしょうから)、今はほぼ皆無と言っていいでしょう。しかし何というか、一目見て「これはもう相互評価だろう」と思ってしまうものが多々あります。法律の抜け穴と言うか……、うまいことをするものです。
それと読み合いもなかなかグレーだと私は思います。確かに規約には違反していませんが、結果として「互いに仲良くしましょう」的なノリと暗黙の了解が蔓延しているのは想像に難くありません。何が問題かと言えば、もし正当に読み合いをするだけであったとしても、その企画に参加するだけで評価される可能性は上がります。つまり「参加しなければ損」なのです。これの何が気にくわないかと言いますと、例えばカクヨムコンテストは読者選考期間があります(これについてはまた後でじっくり)。作者はとりあえずそのボーダーを超えるように頑張る必要があるのですが、その際読み合い企画に行くことでポイントを上げる人々がいれば、何もしなかった作者が割を食うことになり、結果として読み合い企画参加がボーダーとなります。
残念ながら、一見素晴らしいと思える自主企画とカクヨムの仕組みには、功罪どちらもあるのです。
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