第4話

入社して3ヶ月が経った頃、

また会社の飲み会があった。


その頃から就職していなかった彼氏の束縛に嫌気がさしていた。

束縛されるのが嫌いで、前の彼氏と別れた身としては、今回もそろそろ潮時かなーなんて思っていた。


飲み会後、駅に向かう途中で先輩から連絡が入った。

ちょっと駅で待っていてくれない?と。

私は言われるがまま駅で待っていると、先輩がきた。

相変わらず酔っているのだろう、へらへらしながら「散歩しようよ」と言われた。


それは初夏のこと。


夜風がやけに気持ちよかったので、承諾してしまった。きっと私も少し酔っていたのだろう。


海辺を歩いていると唐突に

「付き合わない?」

と先輩からビックリする言葉をかけたれた。

えーっと、少し考えた後

「彼氏いるんで、ごめんなさい」

と断りを入れた。


そろそろ別れるかもしれない彼氏だとしても、付き合っているのには変わらない。

浮気とか中途半端なことをすることは私は嫌いだった。


「そうなんだー。どうしてもダメ?」

なんでこんなに大きな人が子犬みたく可愛く見えるんだろう。

「ダメなものはダメです」

ハッキリと断ったものの、惹かれている自分にも気付いてしまった。


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