第3話

それから少しして、新入社員の歓迎会があった。

もともと大学でも飲み会には顔を出す方で、楽しみながら会を過ごした。


会がお開きになり、店を出た。

二次会行く人ー!

と声を張っている社員を横目に

お疲れ様でしたー

と帰る方々もいた。

入社してからの緊張感と慣れない業務の疲れからか、普段なら参加する二次会も今日は遠慮して帰ろうと思い、

お疲れ様でしたーと挨拶をし、駅に向かおうとした


すると、先輩が近寄ってきて思ってもよらない言葉をかけられた。


「飲み会で、みんなにいい顔するんだね。

なんかやだなぁ」


突然、先輩から思ってもみないことを言われ、理解が出来なかった。


「え?どういうことですか?」


自分が飲み会で何か失態をしたのかと思い、焦って尋ねた。


「他の人にあまりにこにこしてほしくない」


そう少年のように拗ねた表情をむけて言い放たれた言葉に、私は少しの間フリーズした。


「…先輩、酔っ払っているんですね?大丈夫ですか?」


あぁ、酔っ払いか、でも先輩だし無下には出来ないからな、と酔っていることを心配する言葉を投げかけた。


「酔ってないよ」


それ、100%酔っ払いが言うセリフですやん、そう心の中でツッコミ、また来週も宜しくお願いします。と言い、その日は退散した。


酔ってあーゆーこと言うからチャラいって言われるのかぁ。あれくらいなら、たいしたことないな、そう思っていた。

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