第3話 異世界連行

「えぇーー翼生えてないんですか!」


生まれてこの方、こんなパワーワードを聞いたことはあるだろうか。いや無い、、当たり前だ。

だが、その事実が目の前で繰り広げられている。

重盛敦は目を背けようにも実際に翼が目に映ってしまっているので受け入れるしかあるまい、、この信じ難いこの事実を。


「翼、、って生えるもんなんすね」


自分でも何言ってるか分からない。


「はい!生えるものです」


静寂が走る、、会話がこれ以上続かない。

そもそもこの話題を切り出したのは重盛敦だ。

責任はあるし、、どうやって綺麗にこの会話を終わらせようか。


「つかぬことをお聞きしますが、、」


「はい!なんでしょう?」


重盛敦は唾を飲み込み。


「なんでこのコンビニはからあげ棒しか売ってないんですか?」


「材料は私自身だからです!」


即答である。うん?私自身?何言ってんのこの子。


「私自身、、って一体どうゆう?」


「つまりはですね、私の固有スキルの内の一つの不死を応用してですね。まず自分の腕をナイフで削ぎ落としてそれを加工して、ああ!心配ならご無用です!削ぎ落としても不死で生えてきますので」


「まってまってまってまって、」


この店員さんはいったい何を言っているんだ?

不死?生えてくる?なんなんだ?これは、、

情報量が多すぎて頭痛くなってきた。

とりあえずはなんか理由つけて会話を終わらせて帰るか、、


「ええっと、、俺急いでてすみません!この話題はこのくらいにして帰ります」


「あら?そうですか?では、お買い上げありがとうございました!またのご来店をお待ちしております!」


ウィーン


「いったいなんなんだ?あれは、、」


情報をめちゃくちゃ与えさせて俺の脳を破壊しようとでもしてるのか?最近読んだ漫画の先生の能力の◯量◯処みたいに、、

そんなことを考えているうちに家に着いた。

これで一日寝れるとひと段落して、玄関のドアを開けると、、


「え?、、誰かいるのか?」


なぜかいつもよりも靴が多い。

誰かをあげたつもりはないぞ?まさか、、さっきの店員さんとか、、無いよな。

恐る恐るリビングに気配が感じられたので覗いてみると知らない人がそこにいた。


「はぁ、、ほんと嫌なっちゃう。あのにぎりっぺ親父、、初の転移者選定式でこんな家の子供を選ぶだねんて、、どうなってんのかしら?、、うん?」 


気づかれた!店員さんではないがやばい!知らない人がいるドッキリとかされてクソびっくりする芸人さんいるけど今はっきり分かる。やばい!知らない人がいるってこんな怖えんだな、、。

とりあえず、警察警察、、

警察に連絡をするために、ポケットからスマホを出そうとするがポロッと落ちてしまい。その音のせいで気づかれた。


「へ、、、やべ」


「誰かいるのぉ?」


足音が聞こえる、、来る来る来る来る


「あら?あなたよね、、転移者選定式で選ばれた子供って、、案外ガタイいいのねぇ」


殺される!と思った次の瞬間、突然玄関のドアがその爆発音のような音とともに吹き飛ばされて爆発の煙で重盛敦は視界を遮られてなにも見えない。あの不審者も見えないし、やばい。


「こっちです!」


誰かの声がした。さっきの不審者ではない声だ。

不信感なんてもう言ってられない。助かる事が先決だ。

差し伸べられた手を取り、、その後はよく覚えていない。

 

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