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「お前、ライダースについて何か調べてるか?」
元・会議室に集まるや否や、【菩薩】は鞄を置きながら聞いてきた。
「どうして?」
「いや、何人かが言ってたんだよ。そういや、ライダース着るって話してたけど、ジャージしか来てこないって」
「なんの話?」
唐突な話に、聞き返す。
「ライダースだよ。今度からライダースを着てくるんだって自慢げに話してたやつが、ジャージしか着てこなくなったんだと。それでからかったら、殴られそうになったってさ」
「ジャージ言うたら、入学式のヤツら、そうやなかったか?」
「それで、ライダース着てただろ? バッジ奪ったヤツは」
なるほどねと、軽く頷く。
「何かの繋がりがあるって言いたいのね」
「サクラではないだろうな。はしゃいでたヤツらは」
サクラの話を菩薩にした覚えはないが、どうやら菩薩も認識していたようだ。
「まあ、3月頃でしょうね。立ち上げたのは」
「【魔王】卒業を見計らったにしては、杜撰だよな」
「計画立てるの下手なんやろ」
切り返すと、菩薩とマッキーは鼻で笑って返してきた。かと思うと、菩薩は睨むようにこちらを見てきた。
「で? 調べてんだよな?」
おかしくて鼻で嘲笑うと、【菩薩】は口を閉ざして勉強を始めた。
「調べてるわよ、ライダース。ジャージ姿もね。でも、まだよく分かってないわ」
【菩薩】は能無しとでも言いたげな目線をこちらに寄越して、すぐに勉強に戻った。
ライダースは発注書を確認したし、ジャージ姿もアジトらしき場所を確認したし。これで能無しと言われるいわれはないだろう。
「それで、調べて欲しいことがあるんだけど」
そう言った途端、菩薩の顔色がまた変わった。実にめんどくさそうだ。
私は構わず話をすすめる。
「高木 祥。被服部に大量のライダースを発注した生徒よ」
「発注?」
「こだわりが強い発注だったんですって。紋章もいくつかお願いされたらしいわ」
「
「紋章か。階級のつもりやろな」
「それがジャージに変わったか」
「おこづかいじゃ限度があるだろうしねぇ」
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