008 三日目 早朝 目覚まし

いつもなら目覚ましで起きるはずの予定だったのに、なんだか目が覚めてしまった。


少し気怠い身体を起こし、ふと、大きな猫が寝ているであろう左側に目をやる。

すると少女はその光景を見て一瞬固まった。


自分の隣で寝ていたはずの大きな猫が、人間の姿になっていた。


顔は壁側を向いているので確認できない。

少女は好奇心から、どうしてもその猫であったものの顔を確認したかった。


自分がいる布団の位置からではどうしても顔を覗く事はできない。

なので少し近くに移動し、顔を覗きこもうとした。


その時、いつも同じ時間、同じ音で鳴る目覚ましが鳴り始めた。


それを瞬時に察知し、少女は一発で目覚ましを止める事に成功したが、

一瞬、既に鳴ってしまった音は止める事が出来なかった。


「あ、おはようございます。早いですね。」


声がして振り返ってみると、

拾った姿のままの大きな猫が布団から半分出てきながらそう言った。


少女は『ちっ』と小さく舌打ちをした。


もう少しで顔が覗ける所だったのに。

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