お渡しさん。

わたしと手をつないでくれてありがとう。

今日は『お渡しさん』のこと。それをあなたに伝えますね。


『お渡しさん』は『渡り』とも呼ばれています。

『お渡しさん』は、むらからむらへと渡り歩く『お訳しさん』です。


『お訳しさん』はずっと同じむらにいて、そのむらの人たちの手伝いをする人です。

でもずっとずっと同じむらに居たら、新しいことって、なかなか知ることができませんよね。

むらの外で何が起きているのか、わからないですよね。

だから『お渡しさん』がいます。


『お渡しさん』の一番大切な仕事は、新しいことやむらの外のことを『お訳しさん』に教えてあげることです。

『お訳しさん』は『お渡しさん』から教えてもらったことを覚えておいて、むらのみんなが困っている時に教えてあげます。


あなたはどうですか?

あなたは自分の家にいれば、新しいことも、家の外のことも知ることが出来ますか?

もしそうなんだったら、あなたにも『お渡しさん』がいるってことです。


家にいても、新しいことや家の外のことがわからない人もいますよね。

でもきっと、いつかその人のところへも『お渡しさん』がやって来ます。

みんなをつなげてあげるのが『お渡しさん』の仕事です。


でも 「わたしはみんなとつながりたくなんかないんだ」 って人も、たまにはいます。

そう言う人の考え方も、『お渡しさん』は大事にしています。

でもそれは「大事にする」と言うほど特別なことじゃありません。

色んな人が色んな考え方を持っている。

そんなの当たり前のことです。


だから『お渡しさん』はそう言う人がいることを、よろこびます。

みんながみんな、おんなじ考え方をして、おんなじ暮らし方をするなんて、弱くていけない。

『お訳しさん』も『お渡しさん』も、そう考えています。


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