手をつなぐこと。
わたしと手をつないでくれてありがとう。
今日は手をつなぐこと、それをあなたに伝えますね。
わたしの時代の『手をつなぐこと』は、きっとあなたの時代の『手をつなぐこと』とは少しだけちがうはずです。
でももし 「ううん、同じだよ」 とあなたが言うなら、わたしはうれしいです。
あなたが誰かと手をつなぐとき、そこからどんなことがわかりますか?
相手の手のあたたかさですか(それともつめたさ)?
相手の手の大きさですか(それとも小ささ)?
それとも相手の手がざらざらしてるとか、すべすべしてるとか、でしょうか?
誰かの手をにぎってわかることって、たくさんありますよね。
手に汗をかいてることもわかりますし、心臓が動くはやさだってわかります。
やわらかさも、かたさもわかりますよね。
わたしたちが誰かと手をつなぐと、それよりもっとたくさんのことがわかります。
わたしたちが手をつなぐと、相手の知っていること、考えていること、思っていること、それが全部わかります。全部です。
そして、それはとてもはやくわかります。
あなたが生まれてから今までに見て知って感じて思ったことを全部、誰かにしゃべって(それか、文字を書いて)伝えようとしたら、どれくらいの時間がかかりますか?
わたしたちが手をつなげば、きっとそれよりもはやく伝えられます。
しゃべるよりもはやく、書くことよりも多く、相手に伝えることができて、相手のこともわかる。
それが、わたしたちにとっての『手をつなぐこと』です。
でも。
だからわたしたちは、あなたたちより『しゃべること』が下手くそです。何かあったら、話すよりも手をつなごうって思ってしまいますからね。
言葉で(それか文字で)、誰かに何かをしっかり伝えられるあなたたちのことが、少しだけうらやましいと思います。
わたしのそんな気持ちも、わたしと手をつないでいるあなたにはお見通しですね。
だからわたしたちは気持ちを隠しません。
気持ちを隠せないからです。
わたしは、あなたと手をつなげばあなたが隠していたいこともわかります。
あなたは、そんなわたしとこれからも手をつないでくれますか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます