第2話
さて、彼を語る上で彼女のことも語らなくちゃならない。では、話そう。異常なまでに彼に尽くす存在について。
私は、方面春香。高校2年生だ。天魔の彼女である。私の両親は人間と神のハーフであるが、生き別れして現在は父の兄の家で暮らしている。その家こそが方面財閥である。方面財閥と銃座財閥は仲が良く、一週間に一度の合同食事会は恒例行事となっている。
私と彼が出会ったのは私が10歳の時の食事会の時。彼は私を見るなり執事の雀の後ろに立って服を掴んで怯えていた。そこで私は彼のことについて彼の執事の雀に聞いてみた。
『雀さん、彼って好きなものや事ってありますか?』
『ぼっちゃまは、よく歌をお聴きになられています。ジャンルはアイドルなどをお聞きでございます。』
意外といい趣味あるじゃない。私は心の中でそう思った。
彼と付き合うきっかけは財閥関での縁組の話から最初は相手が誰だろうと断るつもりだった。しかし、問題があった。彼もまた他の財閥の子との縁組が決まってしまったのだ。
最初はどうでもいいと考えていたけど、あの時はまるで心臓を握り潰されそうになるほどの痛みが襲ってきた。彼のことを考える時、彼と話している時に無償に彼を独占したいと考える。
だからこそ、私は心に誓った。彼を他の女に絶対渡さない。何がなんでも。
手始めに相手の女について調べた。どうやら相手はコーチグループと言う海外の大手の娘で銃座財閥とは資金提供をし合うほどの仲らしい。でも、最近グループ全体での問題が発覚し、株価が暴落している。即ち、イメージの大幅ダウンとなっていて、相手の方から縁組の取りやめを申し出た。こっちとしては色々と手間が省けた。
これで彼を独占出来る。
そして彼との縁組が正式に決定した。つまり、私は彼のフィアンセとなったのだ。
でも、流石に10歳同士での縁組なので結婚が正式になるのはお互いが高校を卒業してからとなった。
銃座春香,良い響きだわ。素晴らしい。
彼は私が守らなくちゃいけない。他の女から。だって私はあなただけ見つめているのだから。
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