先に地獄で待ってるね
アオヤ
私、地獄いきだよね
「ねえ裕二、生と死の境い目って何だとおもう?」
「何だよ加奈、いきなりそんなこと言われても・・・」
いつもはキラキラした瞳で“何か企んでるぞ”オーラをプンプンさせながら俺の所に来る加奈が今日は何故か真剣な顔でやって来た。
「ん〜難しいこといえば・・・人間や動物の細胞にはミトコンドリアという生き物が居て、それが細胞にエネルギーを与えているそうだが・・・」
「ミトコンドリアが反逆をおこせば生物なんて直ぐにエネルギー不足で死んだも同然だろうな!」
「裕二私ね、膵臓が反逆おこしちゃたの。」
「膵臓が革命おこして私の事、“火あぶりの刑”にしようしている。」
俺は加奈の言葉の意味が判らず、キョトンとしていると
「私ね、膵臓ガンなんだ! 余命半年なんだって。」
エッ?目の前の加奈が居なくなる?
「私ね、裕二の事ずっとかまって欲しくてイジメたりツンとしたりしていたよね。」
「そんな態度の私にきっとバチがあたったんだよね。」
「きっと私、地獄行きだよね!」
「裕二、私が地獄に落ちたら迎えに来てくれる?」
「加奈が居るならどこでも迎えに行くよ!」
「地獄だよ! あの蜘蛛の糸の・・・」
「そうだよ!地獄、確か高章寺に地獄絵図が描いてあったのを観たことあるけど・・・」
「今から、あの山の頂上まで行ってみる?」
「まだ今なら動けるから・・・生きてるうちに地獄を観とこかな? 」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます