前のエピソード――薄い緑茶

5月

　世の中には、不思議な食べ物が存在する。本当に意味のわからない、「何でこれが商品になっているんだ？」というのから、「意外といけるのでは？」というものまで、多数。それで、そんな不思議な食べ物が何でかスーパーで目立つ売り場をもらえて、私の目に入る。

　するとまあ、「何だこれ。そんなに高くはないな……。よし、買ってみよう」となるわけだ。最近買ったのは、広島お好み餃子（ソースかけて食べる）と広島レモン入り餃子（塩とオリーブオイルで食べる）だ。どっちもお値段以上のおいしさだった。

　あと初めて自分で餃子を焼いた。なお私の一人暮らし歴は通算して六年くらいとかいう具合だ。

　高くはないからって、不思議な食べ物を試していると、当たりもひくが外れもひく。それがこの世の摂理というものだ。

　例えば、バレンタインに出る、カップ焼きそばの、「チョコレート味」とか「ショートケーキ味」だ。焼きそばでどうやってチョコレートやショートケーキを感じさせるんだと思って買ったら、案の定、ひどい味だった。でも、こういう、おもしろがる人間がいるから売り出されるのだろう。たしかどちらかは目を瞑って食べると本当にスイーツだった。

　そこまでではなくても、ワニ肉とかカエルの唐揚げとか、昆虫ミックスナッツとかコオロギせんべい（無印良品だったかな）とか、流通している。あとサソリの塩焼きも通販できる。

　全部試した。サソリの塩焼きは大学時代の研究室のクリスマス会の罰ゲームか何かじゃなかったかな。最終的に皆で興味津々で食べたから罰ゲームですらなくなった記憶。

　カエルの脚の唐揚げだったかな、あれもすごくおいしかった。さっぱりした鶏肉みたいな感じ。

　さて、そんな私は、最近、アニメ『ゴールデンカムイ』を観ている。脳みそに塩かけて食うつもりはないが、熊肉とか、馬肉は試してみたいなと思っている。鹿肉はもう経験済みだ。結構おいしい。

　『ゴールデンカムイ』は杉元さんが気になって観ているが、彼はいい主人公だ。