高校生

 最近、高校生の方と交流する機会が割とある。自分より一回りほど年下の人達からしても、私の文章に何か感じるものがあるというなら、それはとても嬉しい。

 青春なんて言葉で言い表されたり、ライトノベルの主人公は大概この年代だったりするわけだけど、現実はそんなに甘くはない。

 試験が終われば、次の試験がやってきて、それだけではなく、資格や検定を取らないといけない人もいるだろう。青春とか何それおいしいの? って高校生もいるだろう。私もそっち側だった。


 私の話をすると、高校はあまり楽しくなかった。一番楽しかったのは、大学だ。中学までは論外だ。何で大学が一番楽しかったかというと、話の合う人間がたくさんいる環境で、多様な人が好き勝手に息をしている空間だったからだと思う。

 こういう話をすると、高校時代からの友人に、「君はあの頃も好き勝手していたよね」と言われるのだけど、高校までは言うほど好き勝手にはできなかった気がしている。


 これは万人が使える手段ではないが、私は高校入学時に、「大学入試は一般しか受けないぞ」と決めた。推薦とかAOとか呼ばれるものを使わないことにした。だから、正直今も推薦とかAOのことがよくわかっていない。

 調査書だとか、評定平均だとか、そういうものが必要になる推薦を使わないと決めると、性格の悪い言い方だが、先生に媚びる必要がなくなった。卒業や大学入試に必要なものだけ頑張り、そうでなくて、自分が不要だと感じたものには、何のコストもかけなかった。

 当時、クラスメイトには「染井さん、担任に嫌われてるよね」と言われていた。私も担任が嫌いだった。私はいつも大学合格への最短距離を行きたいのに、寄り道をさせようとしてくるように感じたからだ。嫌いな言葉は文武両道だ。完全に入る高校を間違えたと思う。

 とはいえ、面と向かって喧嘩したわけではない。古典の先生は高校時代に学級日誌で古文を使って嫌いな担任と喧嘩したらしいが、私は何もしていない。

 高校をあまり楽しめなかった私の話としては、今いるところが楽しくなくても、進学先が楽しい可能性は存分にあるので、進学先の選択肢を増やすために今いるところを利用するつもりでいると、楽しくない時間も糧になるということだろうか。


 私はあの頃、高校を大学への通過点と考えていた。この考え方には異論も反論もあるかもしれない。だって、それは、高校時代に出会う人のほとんどを、代替可能なものとして扱うのと変わりないから。

 でも、それって、無意識でも、誰もが考えることじゃないか。目標への道筋には必ず通過点があるのだし。


 今の高校生は、どういうことを考えているんだろう。

 文章でなら、交流してみたいかな。

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