第7話 魔王は錬金術を覚える
俺はアインハルト。最近、剣を触れるようになった村人だ。
昨日は剣の振り方を覚えることと光の魔法の開発を行った。だが、残っている問題点は数多く存在する。
問題点は以下のとおりである。
1. 事前に解析することで行く副作用を抑えることができたこと。
2. 勇者であろう存在の魔法出力は高く、弱い魔法であっても本職と同程度の出力になること。
3. あまりにも大きな副作用の場合は肉体が変質する可能性があるということ。
4. 光をまとう剣は通常の技術では再現不可能かもしれないこと。
昨日は木の棒に光の魔法を纏わせようとしていたが爆発す量なので、断念した。
そのため、本日は光の魔法を放つことのできる魔道具を錬金術にて作成していく。
「今日はよろしく頼む」
「はいはい、よく来たわね。パパ、昨日言ってた子が来たわよ~」
「わかった。今行くよ」
おそらく工房と思われる場所から男が出てきた。
「君がミミが言ってた子か」
「初めまして。アインハルトと言います。ハルトと呼んでください」
「わかったよハルト君。それにしてもすごいね。ミミが君の魔力の扱いが素晴らしいとほめていたんだよ」
「パパ!言わないで!」
顔を赤らめて彼女は急に大声を上げ父の言葉を止めようとした。
早速、錬金術を教えてもらう為に話を進める。
「ではおじさん。俺に錬金術を教えてください」
「わかったよ。だが、まずはこの本を読む事からだ。この本には錬金術の基礎が書かれているからね」
「わかりました。そこで読んでいいですか?」
「もちろんかまわないさ」
『未完成:真実の瞳』を発動させ、本をパラパラとめくっていく。
程なく、最終ページまで読み。おじさんへ声をかけた。
「終わりました」
「......では、錬金術で必要な3つの要素は何かな?」
「土台となるアイテム。魔力を変換する触媒。そして使用者の魔力。この3点です」
「正解だ。......では、早速初めて行こうか」
怪しむ様な表情でそう言うと。店の奥に入って行き触媒とアイテムを持ってきた。
「ここで、錬金術はできるかな?」
「工房があることが望ましいとされていましたが、やれない事はないでしょう」
「完璧だ。簡単な錬金術ならその場でもできる。まずは工房の使い方から教えていくよ」
一瞬、驚いた表情を見せたがすぐに笑顔になり授業が始まった。
〜〜〜〜〜
と言っても完全に日が沈む前に授業は終わった。
初級編は完全にマスターできたと言えるだろう。
「まさか、今日で初級編の授業が終わるとは。若いっていうのはいいねー」
「授業で色んな道具を使いましたけど」
「お金の事なら気にしなくていいよ。君が作ったものは店先に並ぶことになるからね。すぐに回収できるよ」
「なら、良かったです。また、よろしくお願いします」
「ああ、いつでもおいで」
錬金術では、基礎的な魔法の回路を作成し、アイテムに彫り込む技術を覚えた。また、触媒を液状にして回路に流しこむ技術を身に付けた。
これにより、一つのアイテムを作成した。
「このランタンで夜も作業ができる」
貴族のように、夜も作業を行える土台ができた。
朝に家の手伝いを終わらせる。そして、昼に技術を覚え、夜に実践に移すことができるようになった。
その後、錬金術店を出た時、レオナと出会った。
出会ったレオナは、こちらに気づくとほほを膨らませこちらを見ていた。
「プチライトの魔法を込めたが、今回は光量を落として長時間の明かりを確保できるようにしたんだ」
「うん、それで?」
「これで、勇者になれるスピードが上がるんだ。すごいだろ?」
「うん、で?」
楽しみだったデザートを取られた子供のようにこちらをにらんでくる。
いつもなら、話しかけるだけでニコニコと笑う彼女が機嫌を直さない状況であった。何が問題だったのか見当もつかないため聞いてみる。
「......俺、何か、やったか?」
「......今日。私が光の魔法を教えたかったのに」
「それは......明日、教えてくれ!」
「絶対だよ?」
「絶対だ。約束する」
「なら、いいよ!明日絶対だからね!」
こうして、彼女と共に家に帰った。
家につき、食事を終えると早速、錬金術を使用してアイテムを作成していく。
「身の回りにあるもので錬金術に使用できるのは、生活魔法だけ」
木の板に石で回路を彫り込んでいく。彫り終えると石を液状に変換して、回路に流し込んでいく。
最後に上から木の板を重ね、釘を打ち、光を放つ木のこん棒が完成した。
「これで『光の剣もどき』の完成だ」
今はまだ勇者の真似事だ。
だが、俺は勇者になるんだ。
俺は錬金術の基礎をマスターし、『光の剣もどき』を獲得した。
__________
今回は遅れてしまい申し訳ありません。
GW間に色々やりたいことをやっていると遅れてしまいました。
そして、皆様、応援やコメントありがとうございます。
皆様の応援やレビューが作者の心を奮い立たせる一助となりました。
下にハートマークの応援欄やコメント欄があるのでぜひ応援してください。
また、フォローしていただけると本作の通知が行きますので、すぐに楽しんでいただけると思います。コメントもお待ちしております。
皆様には感謝しかございません。
これからもよろしくお願いいたします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます