応援コメント

第1話」への応援コメント


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    企画に参加いただきありがとうございます。読ませていただきました。

    スイーツ……すなわち砂糖というのは「理屈抜きにひとを幸福にしてくれる」ものですが、ここにあるのは理不尽な不幸。理由なき迫害。あえて甘味と相対した事象を持ってくるところに、青条様の考え方の軸のようなものを見ることができ、個人的にとても面白く読ませていただきました。
    「人生、そんな甘くねーんだ」と。
    「誰もが甘いもんを食って幸せになれるわけじゃねーんだぞ」と。
    でも……「それが現実なんだ」。そこですよね。
    この話では前半後半で語り手が変わるようにも、あるいはどちらも同一人物であるようにも読めるのがトリッキーで面白いです。そしていずれにせよ、前半後半で共通しているのは、理不尽に遭いながらもそれをそれとして受け止めている点だと感じました。

    クレープとビールの組み合わせが最低に不味かったとしても。
    やってもいないいじめの主犯格にされて責められたとしても。
    それが現実なのだから仕方ない。
    いくら不条理でも受け入れるほかない。
    これこそが、このお話の主なテーマなのかなと私は感じました。

    私は実は、昔から不条理な話が好物です。現実って不条理だよな〜という気持ちを共有するのは結構楽しいんですよね。カフカの「流刑地にて」とかはお気に入りです(笑)

    ともあれ小説を書くとき、「人の心を動かすにはリアリティが必要だ」とはよく言いますが、リアリティを突き詰めたらきっとストーリーラインも何にもないカオスになるでしょう。それもまたよしと私は思います。それこそが作者の言いたいことなのだろうし、不条理に真正面から向き合うことは「一種の才能」であるとも思うからです。理不尽を理不尽としてそのまま受け止められる方というのは、やはりある種の強さを持っていらっしゃるのだと思います。

    よく「物事をポジティブにとらえる」と言いますが、それは理不尽をありのまま受け入れることを放棄する弱さにもなる気がします。

    いやー、それにしてもクレープにビール!笑 紅茶でもコーヒーでもない。俺はビールで行くんだと。でも合わないもんは合わない。でもちゃんと食べ切る。そこですよね!その強さ・真っ当さこそがこの話の持ち味だと感じました。

    自分の行動の責任はきちんと全うする。
    その真面目さが全く報われない不条理。
    そんな虚しい世界では、甘やかなお菓子でさえも毒を帯びるのかもしれません…

    長文失礼いたしました。面白い作品をどうもありがとうございました!