夏祭り

第1話

子供でも夜遊びが許される日、夏祭り。

私が住んでいた場所は、幸運にも日本三大祭りの天神祭の開かれる近所だったから物心ついた頃から毎年楽しみだった。

子供の頃は暗くなったら帰りなさいとよく言われるが、祭りの時は例外で子供たちだけで日が沈んだ後も遊ぶことができる背徳感と不安でワクワクする。

祭りといえば屋台と花火、だんじりだろう、というかそれ以外ないのではないだろうか。

友達や時にはカップル複数で屋台を巡りつつ食べ歩き、花火を見てロマンチックな雰囲気に浸る。そんな非日常がいつも住んでる街にやってくる祭りという日が大好きで青春だった。

思春期真っ盛りの頃、同じ部活の女の子と付き合うことができて一緒に祭りに行ったのは今でも覚えている。

あの子と手を繋ぎ、中学生のなけなしのお小遣いで屋台飯を奢ってみたり、ただ食べ歩いてくだらない話をしたり、花火を見ながらロマンチックに浸ってみたり。

そんな他愛無い過ごし方でも胸が締め付けられるような甘酸っぱい青春の祭り。