ネク・ビエンテ 黒霧の館 3


「こーんにーちはー」


ネクでもなく、フォールスでもない声が2人の真後ろからかけられる。


バッと後ろを振り返るもそこには何も居ない。


「こっちこっち」


振り返ると手を後ろで組んで前屈みで、上目遣いするお嬢様が居た。


「お、お前は誰だ」


「あれ〜、挨拶されだら挨拶し返すもんでしょう。こんにちは」


ネクの動揺を知ってか知らずか茶化すように笑う。


話が進まないと感じ取ったフォールスが挨拶をし、再び目の前の少女に名を尋ねる。


「それ、私のなんだ。それがか答え」


そう言って少女はフォールスのバックを指さした。


「?……これは俺のだ」


「?……ああ、その鞄じゃなくて中身だよ〜」


「乃愛……」


「ちょっと違うかな、乃愛であってそうじゃない。うーん、ま、いいや」

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