黒霧の少女13
「……逃げた、のか……?私から?」
「そうやとしたら相当厄介な相手やね、そりゃ一級程度じゃ敵わんわけや」
咲は正拳突きを確かに少女に向けた。拳が触れる瞬間、少女は薄ら笑いを浮かべ体を貫通させた。そう、触れたのである。
触れた拳は壊死したように紫とも黒とも言えない色に変色し、咲と言えど追撃は出来ず、後退。その隙を突いてそのまま消えた。
幸い、空が何かあった時に備えて巻き戻しの魔法を展開していた為、食らう前に巻き戻して、なんは逃れたが。
「さて、どうすっかねー私は今回限りだな、緑の魔法も使っちゃったし」
「……黒霧は龍になったのは今回が初めてだ。そこになにか引っかかりを覚えるな」
ネクは冷静に今までとの比較をして、今回で初めて起こったことについて指摘する。
あっという顔をして、フォールスが呟いた。
「………家?」
「家……か。探す価値はあるな。明日、いや、3日後に捜索開始でどうかな?各々準備が必要だろう?」
トーマスのその言葉に誰も異論はなかった。
「なら、おい!空!くうに杖を見繕ってくれ」
「杖ね、……ああ、分かった」
空が了承した事に周りは唖然とした。
「なんだよ……」
ムスッとした顔の空を見てくうがクスリと笑っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます