第19話

電話を切ったあと、俺は自分が描いたヒカルさんの絵を眺めていた。

「こんな素敵な女性と食事に行くなんて、1ヶ月前には想像もしてなかったな。女性と二人きりの食事って何を話せば良いんだろう?」

急に現実味を帯びてきたことで、俺は今から緊張し始めていた。


ピロピロピロ。

先生から待ちに待った電話がきた。

「もしもし先生?」

「出るの早いな。」

「ずっと待ってましたから。で、どんなお店が良いですかね?」

「それなんだが、ヒロシ今日の夜って時間あるか?」

「ありますよ。」

「じゃあ、19時に桜駅にきてくれ。」

「え?なんでですか?」

「俺と一緒に下見に行くんだよ。それに、ヒロシ誰かとお酒飲んだことないだろう?当日にあたふたしないように練習しよう。」

「助かります!実際、居酒屋にも行ったことなかったので、どうしようかと悩んでいたんです。」

「じゃあ、決まりだな。学生も数人連れて行くけど良いよな?」

「はい、大丈夫ですよ。」

「じゃ、19時にまた。」

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