第18話
サトシが入手してくれたアドバイスを元に俺は早速、お店探しを始めた。
「ここは雰囲気が良さそうだけど、カッコつけすぎている感じが出ちゃうかな?でもこっちはトイレの写真が載っていないから判断できないな。こっちのお店は、料理のレパートリーが少ないしな。」
俺は生まれてから一度も居酒屋というものに行ったことが無かったから、どのお店が良いのかどうかを判断することが出来なかった。
「先生、お店選び手伝ってください。」
俺は一人で探すことに限界を感じ、先生に助けを求めた。
「ヒロシ、女性の絵見たよ。とても魅力的な女性じゃないか。こんな素敵な女性とご飯行けるなんて羨ましい。絵を見る限りでは結構、若い感じに見えたんだけど、何している人なの?」
「学生だと思います。」
「学生なのか。20歳超えているかどうかで選べるお店のレパートリーが変わってくるけど、何歳か分かる?」
「そういえば年齢は聞いていないので分からないですね。二十歳以上じゃないとお酒飲めないのか。ちょっと今、聞いてみます。」
俺は、先生との電話を切ってヒカルさんに電話を掛けた。
何度か呼び出し音が鳴ったあと、
「もしもし」
ヒカルさんが電話に出た。
「もしもし、ヒロシですけど」
「ヒロシさん、電話ありがとうございます!嬉しい。」
「そう言ってもらえると何か照れるな。」
「私も今、照れてますよ。」
「そうなの?」
「そうですよ。で、今日はどうしました?」
「今、お店を探しているんですが、ヒカルさんの年齢を聞いていなかったなって思って。」
「お店探してくれているんですか。ありがとうございます。今、21歳ですよ。なので、お酒も飲めますよ。ちなみに、私はお酒結構強いですよ。」
ヒカルさんは笑いながらお酒強い自慢をしてきた。
「お酒強いってことは飲むのも好きなの?」
「お酒飲むのが好きっていうよりは、飲み会の雰囲気が好きですね。」
「そうなんだ。」
「はい。」
「日程なんだけど、いつが良いとかありますか?」
「えーと、ちょっと待ってください。」
そういうと、ヒカルさんは暫く無言になった。
「あ、もしもし?」
「はい」
「えーっと、明後日の夜だとバイトもないし翌日も朝からの用事はないので嬉しいかな。」
「明後日の夜ね。分かった。じゃあ、18時に桜駅前で待ち合わせでも大丈夫かな?」
「18時だと難しいかもです。少し遅いんですが、20時でも大丈夫ですか?」
「20時ね、大丈夫です。」
「良かった。」
「じゃあ、明後日の20時に桜駅前でお願いします!」
「分かりました。楽しみにしてますね!」
ヒカルさんとの電話を終えた俺は、急いで先生へ再び電話した。
「先生、明後日の20時に待ち合わせました。」
「明後日とはまた急だな。」
「でも、これって俺に会いたいってことじゃないんですか?」
「そうなんだろうね。じゃあ、急いでお店決めないとな。」
「はい!」
「学生たちにも候補出してもらうから、ちょっと待ってて。」
そう言うと一度、電話が切れた。
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