第5話 幼馴染との過ごし方(GW編)
四月の中旬、世間がゴールデンウィークの話題で包まれる少し前、俺は美空の家を訪れていた。
「どうしたの?優斗から話があるなんて珍しい」
「今日はゴールデンウィークの過ごし方を相談しに来たんだ。去年は受験でいつもだったら二人で出かけてたりしたのにできなかったから、今年は何しようと思ってさ」
美空はそれを聞くと納得の表情を浮かべると共にこちらに近づいてきて俺の隣に座った。
「優斗のことだからある程度、候補があるんでしょ。教えて」
「ああ、今年のゴールデンウイークはバラけてるから出かけるにしても近場が良いと思ってる。他はあんま考えてないよ」
「良いね。私もどこか行きたいと思ってた。どこに行く?」
「俺はここが良いかなって」
そう言いながら、カバンからパソコンを取り出して旅行サイトを開いた。
「綺麗~ここは洞窟?」
「綺麗だろ。ここは佐渡の竜王洞ってとこなんだ。日本海とは思えないオーシャンブルーの海だろ。この周辺には他にも観光地あるみたいだからいいかなって」
「良いね!ここにしよ、決まりね」
こちらに向ける美空の笑顔を見ると何日も考えた苦労が忘れられる。
このまま長居することは美空の都合もあるだろうし良くないだろう。急な訪問だったしな。
そう思って立ち上がると、美空が俺のシャツの袖をつかんで
「ねぇ、ゴールデンウイークの話だけじゃなくて、もう少しここにいてよ」
少し照れながら言う美空に俺が叶うわけもなく、美空とダラダラとこれからしてみたいことを語り合っていたら朝日が昇っていた。
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