第4話 深夜の映画鑑賞
明日は忌まわしき月曜日。
明日の為に今日は英気を養い早めに寝ようと思っていたのだが、23:00ごろ美空が映画見ようと言って、部屋に来たから予定が狂った。
まぁ、久しぶりに二人で映画を見るのも悪くないしな。
「映画見るって何を見るんだよ」
「これです。唯ちゃんが二人で見たら楽しめるって教えてくれたんです」
そう言いながら、美空が持っているBlu-rayのパッケージを見ると和やかな雰囲気の遊園地が描かれている。
清水さんの紹介となると海の思惑も入ってそうだが、今回は大丈夫そうだ。
◆◆◆
と思っていたのだが、現在テレビのモニターには和やかなパッケージとは異なる不気味な映像が流れていた。
「なあ美空、なんて紹介されたんだこの映画」
「海と二人で見たら楽しかったよって紹介された」
「内容は聞かなかったのか?」
「………」
「知ってて黙ってただろ。普段そんなことしないのに何が目的だ」
「……黙秘します」
この映画は和やかに見せかけた本格的なホラー映画だった。
ここまではまだ理解できるのだが、そもそも美空はホラーが苦手なはずである。俺が以前誘った時も脱兎のごとく逃げ出したのに一体清水さんになんて言われたんだ。
それに答えないくせに耳だけ赤くなってるし何を考えているんだ?
そんなことを考えている中、映画はどんどん終盤に近付き、初めは不気味なだけだったのに本格的な脅かし要素も増えてきた。
「ねぇ、腕貸して」
先ほど赤くなっていた美空はその余韻を全く感じさせず、もはや青白い顔になっていた。
「苦手なのに見ようとするからだぞ。何が目的だったかは知らないけど、好きに使えよ。」
「ありがと」
その後、美空は俺の腕にしがみつきながら映画を見終えた。
一度は家に帰したのだが、一人で寝れないと言って一緒に朝を迎えた。
翌日の一限に遅れかけたのは、いつもより寝床が暖かかったからかも知れない。
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