第3話 新しい出会い


公園で寝ていて少しして目を覚ましました。


「 ん〜っ。 ちょっと寝ちゃったよ。

あまりにも良い空気でのんびり出来ちゃうんだもん。

あれ? パーカーは??

ん? 手紙だ…… 。 」


そして手紙を読みました。


「 帰っちゃったのかぁ。

お礼も言ってないのに…… 。

また会えるよね?

シュークリーム食べられちゃったけど! 」


少し残念ではありましたが、手紙で相手の事が分かって嬉しかったのでした。

予想するに、相手は社会人の大人な男性かな?

色々な妄想が膨らむばかりです。

そしてゆっくりと帰りました。


家に着いてから皆で朝御飯。

朝御飯は冷や麦と天ぷらやサラダ。


「 ねぇお父さん。 朝から冷や麦?? 」


「 わっはっはぁ! 朝からさっぱりして一日が始まるのさ。

最高な朝ご飯だよ。 ねぇ母さん。 」


お父さんは少しずれている。

我が強いのか? それとも…… 。


「 そうですねぇ。 お父さん。

やっぱり朝は沢山食べないとね。 」


お母さんはいつもニコニコしながらお父さんのふざけた案にほとんど文句は言いません。

あまりにも酷いときだけ補正しまが。

朝からバクバクと皆でご飯を食べました。


学校に行こうとしていると、お母さんが駆け寄って来る。


「 明日香。 朝からお父さんのワガママに付き合わせてごめんね。

お父さんは大黒柱だから上げてあげないとね。 」


「 お母さん…… 全然大丈夫だよ。

冷や麦好きだし、お父さんのワガママも意外に嫌いじゃないんだよね。

子供がウチには二人居るみたいで! 」


二人で笑い合いました。

家のしっかり者の二人なのでした。


学校に着いてから教科書とかを机に入れていると、弁当が鞄から出てきました。


( あっ。 お弁当…… 。

お母さんが入れててくれたのかぁ。 )


中身見てみると中身は明日香の大好きな、玉子焼きがぎっしり。

明日香が頑張れるように気を使ってくれたのです。

明日香は凄いその気持ちが嬉しかったのです。


授業を受けてしっかり勉強をします。

これが学生の醍醐味なのですから。

休み時間はまだ慣れてないので、いつもドキドキしながら過ごします。

まだちゃんと友達が出来ていませんでした。

なので自由な時間がとても苦痛でした。

人見知りの激しさもいじめにより増していて、話し掛ける勇気もありませんでした。

一人寂しく本読んで気を紛れさせていました。


なんやかんやで一日が終わって帰る事に。

少し同級生達と話したりはしましたが、友達になる程ではありませんでした。


( はぁー…… 。 また友達出来なかったよ。

何処に行っても同じだよね。 )


しょんぼりして帰りました。

転校生の悲しい事はもう既にグループが出来ていて、その輪に入るのはとても難しいのです。

歩いていると家までは遠い。

まだ4月なので外は涼しくて過ごしやすい。

道にはたまに蛇君が現れるのが難点でしたが。


( 今日は疲れたなぁ…… 。

寄り道でもしようかなぁ。 )


帰り道とは少し違う道行きました。

自然の中は凄い綺麗でした。

動物達も沢山居ます。

森の中の道を歩いていると、一つのログハウスのお店が見えて来ました。


「 綺麗。 本当にオシャレだなぁ。

中の店員さんも多分、カッコいいオシャレさんなんだろなぁ。 」


期待を膨らませて中を覗き込んでみると、髪が天然パーマで長めで髭モジャのおじさんが居ました。

テーブルを拭いていましたが、見られて居るのに気付いて明日香を見る。


( ヤバい…… 逃げなくちゃ! )


明日香はびっくりして走って逃げてしまいます。

必死走りながら後ろを向くと、謎のおじさんが店から出てこっちを見つめていました。


( はぁはぁはぁ。 ヤバいよ…… 。

イケメン店員さんかと思ったら、殺し屋みたいなおじさんで。

あの目付き…… 間違いない。

何人か殺してるよ。

怖いから当分はここら辺には近付かないようにしないとなぁ。 )


明日香はビビりながら必死に走って帰りました。

おじさんは遠くから見ながら。


( 今誰か居なかったかなぁ?

折角出来立てパスタ作ったから、味見してもらいたかったのに…… 。 )


そしてゆっくりお店に入って行きました。

明日香の勘違いでしたね。

人は見掛けで判断してはいけないと言う事ですね。


無駄に疲れて家に着いてからぐったり。

自分のビビりな所が嫌いでした。

ベッドに仰向けで寝転がりました。


( 本当に色々と不安ばっかり。

謎の殺し屋さんには会うはで、先が思いやられる。)


目をつぶって悩んでいると。


「 お姉ちゃん! 帰って来たならそう言ってよ。」


可愛い悪ガキの登場です。


「 あらあら、海人君はどうしたのかな? 」


弟の前では良い大人のお姉さんぶっています。


「 色鉛筆がなくなったのさ。

一緒に買いに行こうよぉー。 」


「 えぇっ!? 私が?? 」


まだ周りに詳しくなく、出来ればそんなには出掛けたくはありませんでした。

でもいずれは行かなければいけません。

仕方なく重い腰を上げて行くことに。


「 仕方ない! 美人な大人のお姉ちゃんに任せなさい。

さぁ。 行くわよ! 」


二人で街へ出掛けました。


近くには少しガソリンスタンドとコンビニくらいはありますが、雑貨や食材を買うところがありません。

なので少し遠出するしかないのです。

一時間くらい歩くとマンモスマーケットと言うデカいスーパーと雑貨とかが、まとまった場所がありました。

ペットも売ってたり魚も新鮮な物が売られてたりと、都会のデパートよりも楽しいかもしれません。

ゆっくり歩いて着くと、海人は大はしゃぎ!


「 うっひょおーーっ!

トカゲとかヒヨコが沢山居るぅー。 」


子供には楽園にしか見えません。


「 海人ーっ。 あんまり遠くに行かないでね! 」


動物が大好きな海人は大暴れ!

今の彼を止められるのは、お母さんだけだろう。

遠くから見守りつつ自分も動物を見ている。


( ウサギ可愛いなぁ。 耳長ーいっ。 )


ちょんちょんっとつついたりして笑っていました。


「 ウサギって寂しいと死んじゃうの知ってた? 」


「 へぇー…… そうなんだぁ。

知らなかった…… な? 」


咄嗟に返事をしてしまったが、誰かが話し掛けてきました。

びっくりして横を見ると、そこには同級生の女の子が居ました。


「 そんなにびっくりしないでよ。

私は白石麻衣しらいしまい

宜しくね都会ちゃん。 」


背は小さく、髪は同じショートヘアー。

気は強そうで自分とは大違い。

クラスでは結構話している存在でした。


「 …… うん。 宜しく。

あのぉ、私まだ全然詳しくなくて。 」


もじもじと小さな声で話していると。


「 都会ちゃんはもっと上向きなよ。

可愛いんだからさ! 田舎もんには強気でいなよ。

ねぇ? 私がここら辺色々教えてあげる! 」


「 えっ…… 良いの? 」


「 困ったときは助けあいよ?

田舎なら当たり前なのよ。 」


麻衣ちゃんがまさかの、街の案内をしてくれると行ってくれるのでした。

嬉しい話でしたが、弟が居るから断る事に…… 。


「 でも…… 私弟と一緒だから…… 。 」


申し訳なさそうに答えると。


「 知ってるよ。 遠くから見てたもん。

一緒に案内してあげるよ!

ほらっ! 弟君は蛇首に巻いて喜んでる。 」


海人は店員さんの計らいで蛇を巻いてもらい喜んでいました。


「 お姉ちゃーーん!

見てみて! 蛇がこんなに大きいんだよ。 」


「 ぐひゃあーーっ! 蛇っっ!

早く下ろして。 嫌いなのぉ。 」


爬虫類苦手な明日香は大慌て。

そんな姿を見て麻衣ちゃんは大笑い。


「 はっはっはぁ。 面白すぎ。

あはははっ! 騒ぎ過ぎだよ。 」


その後に三人で周りを色々教えてもらいました。

明日香は麻衣ちゃんの様な前向きで、引っ張ってくれる人が大好きでした。

帰り際に明日香はモゾモゾしてしまいます。


( どうしよう…… 電話番号とか聞きたいなぁ。

でも私と友達になってくれるかな?

ウザくないかな? )


明日香は言い出せないでいました。

その行動を察して話をしてきました。


「 ねぇっ? 番号教えてよ。 」


急な話にびっくりしてしまいました。


「 えっえっ!? 良いの??

私なんかと…… 。 」


凄く気にするタイプなので、気にしちゃっていました。


「 可愛いし話してて楽しいし。

私達もう友達だよ? 」


明日香は死ぬ程嬉しい言葉でした。

泣きそうになる気持ちをおさえて。


「 うん。 うん。 私なんかで良かったら。 」


二人は番号を交換しました。

その日、明日香に初めて友達が出来ました。

明日香は弟と手を繋いでスキップして帰るのでした。

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