第5話  再会

修行の日が4年位続いて、あくる日に和尚様は恵介にこう言った。



「これからは私に頼ることは一切してはいけない、自分で自分の道を切り開いて行くのだ。


仏様の仏法の道に逆らうことなく、いつも感謝して僧侶の道を歩むがいい」恵介は和尚様との決別の時が近いことを悟った。



そして(必ず立派な僧侶になり、人々の悩み、苦しみ、辛さ、哀しさを聞いてあげて、最善の自分にできることを全うして親しく愛される僧侶となり、人々の生きる力となる)と固く決意したのであった。



また、恵介は今のお寺のやり方にも不満を持っていたので、本当の意味で救える葬式をしたい、そして生きている人の力となり人々を救える自分でありたいと思っていたので、恵介なりのオリジナルのスタイルを確立して、トライして行った。



それに自分のことを待っていてくれた彼女のことも恵介は忘れていなかった。



自分のお寺を持つと恵介は彼女に会う為に作業所にいる彼女の情報を聞きつけ、皆さんのいる前で堂々とプロポーズした。



「これからは決して君を離さない、一緒になろう」と言ったのである。



その時仲間の皆さんから鳴りやまね大きな拍手が鳴り響いたのであった。


恵介、42歳であった。



二人はゴールインして二人の暮らしが始まった。


お寺を運営している恵介はいつもの"悩み相談、アドバイスアピール"と称して個人の家に出張して、人々と閑談して仏法の教えから教えられたことを悩みの持っている人に聞かせてやって"心こそ大切"をもっとうに話してやっていた。





そんなあくる日に、アメリカ人の悩みを持つ相談者が主人の性格のことでひどく悩んでいることが解った。



その女性が言うのには「主人はとってもいい人です。



優しくて、思いやりがあって何でもしてくれる、私にはもったいない位いい人です。



けど、主人は正義感が強すぎるあまりに、弱い人をいじめる人が大嫌いです。




その為に弱い人を泣かし続けた人を主人はもう立ち上がれない位にこてんぱんに仕返しするので、悪い人が主人の命を奪おうとしているのです。




やり過ぎだよと言っても主人は言うことを聞きません。



このままでは主人は殺されてしまうかもしれません。



どうすれば主人の命を助けてあげられるのでしょうか?私が犠牲になっても構いません。



主人を助けたいのです。


アメリカでは銃を持っている人が沢山います。



主人はいつ銃で射たれて死んでもおかしくない人です」



「奥さん解りました、奥さんと主人は結婚なさっているのですよね?」



「はい、けれど結婚式はまだ挙げていません。



私からあなたの性格が変わら限り皆さんに私の愛する夫ですとご紹介できないと言ってあるのです。



そして私達が日本に来た理由は、このままではアメリカに居るとアメリカは銃を持つことを政府が認めているので、主人を恨む人もいっぱいいる為に日本へアメリカから逃げて来たのです」




「主人に私から仏の教えを書きます。


人を恨むことはカルマの法則で必ず自分に返って来ること、恨み続ける人は幸せになれないこと、本当の優しさとは何かを書きますので主人に読んでもらってください。


後、主人とも対話しなければいけないと思っています」

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