第73話 次回予告。


静かに水面が揺らめいて、波紋が織り成す人間模様。


始めの石は、単なる興味か——或いは欲か。


すくえる物に限りがあれば、掬われぬまま多くが沈むが世の道理。


世界にしては小さな掌、掬い上げた水鏡みずかがみに映る己を眺め、魔人はうたう。


これが己の世界だと。


掌から零れ落ちゆく清浄がけがれへと変わりて、魔人は再び世界をにごす。


渇き渇いて黒へと固くか、それとも夜を帯びる鮮紅の泉か。


真実などは語られますまい。


何故なら魔人が、嗤うのだから。


——次回、断頭台のデュラハン。


欺瞞ぎまん編】


2月17日、連載開始。予定。

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