第47話 地下に潜む怪物。2/5
「逃げる気ですか、それとも次の罠を——【
「ふんぬっ‼ 【
「兄さぁぁぁぁぁん——‼」
距離を置かれた間合い、多対一の強みを活かすべく——そして奇策を
空を突く槍の突き出しで放出される炎の槍、床下から土を吸い出したような動作から太い岩石の腕を分離発射する
それらが全て——、一斉に距離を取ったイミトへと詰め寄った。
「……逃げねぇっての、三対一の立ち回りだろうがっ‼」
「おらよ‼」
対するイミトは、それらの攻撃を
「武器を捨て——た⁉」
「チート使って、ゴメンナサイってな‼」
そして槍とルーゼンビフォアらの魔法攻撃がすれ違う中で、
「【
合掌によって
棒の真ん中を両手で握るや、棒の両端から最初の
そこから振り回した鉄球付きの棒を駆使して、押し寄せてくる攻撃魔法を散らし防いでいくのである。
「アーティーの
そんな攻防の中、今度は見事に地中より背後に現れたバルドッサ。イミトは彼の名を知らぬが、
「いや、殺してないっての」
瞬時にスライムの半人半魔アーティー・ブランドの仲間だと悟った上で、言いがかりも
「ぐ、ぐおおお‼」
「すぅ……
そして——、そのまま息を吸いながらの乱回転の勢い、遠心力。更に自信の両腕が出せる全霊の
「「「——⁉」」」
そうして驚愕する三人の敵を尻目に、更に彼は——
「【デス・ゾーン‼】」
浮遊した床の
「【オラオラオラオラオラオラオラァ、オラオラオラオラオラァ‼】」
「——……時は動き出す。なんつってな」
「くっ、
それはまるで——射程距離の伸びた
しかしながら、この世界の強者にとって、その
体を岩のように硬質化させて
「三対一なんだから言い訳が効かないぞ。頑張れ頑張れ、はは‼」
そんな光景に際し、
「あああぁぁぁぁぁぁぁ‼」
「——良いね。ちゃんと殺しに来てる」
「……‼」
だが、いち早く
ギリギリと槍の
「あ、言い忘れてたが、あの母親——お前が死んだ後に病院に入院して
「——‼ あんな奴の話は……しないでよ‼」
その
「やっぱり親子だな、死に方も生き方もそっくりだ」
「っっ……ああああああああ‼」
そこに追い討ちの如く、放たれるイミトの冷酷な
「生まれ変わってまで、お前らの介護はゴメンなんだよ‼」
されどイミトは冷静沈着に驚く事も無く、襲い来る水流の触手を前後左右斜め跳びで、妹の
「優しくしてりゃ、何処までも甘えてきやがって——ちっとも前を向きやしやがらねぇ」
「ちょっと突き放したら冷血人間扱いで。うんざりする」
それは——挑発的な言動か、今まで溜まった
「どうせ、都合が悪くなったらまた自殺をちらつかせて甘えるんだろ、テメぇ。信用がねぇんだ、信用が」
やがて振り抜く槍の風圧で心乱れた
「あ……あああああ‼」
感極まったイミナは泣き出しそうな己を抑えた激情の叫びを解き放ち、次の激動を予感させつつも身を
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