第28話

浴室についてくと別の二人の侍女もナタリーと共についてきた。

猫脚のバスタブが用意されていた。体の小さなさくらには十分すぎるおおきさで、テンションがあがった。小屋には浴室なんてなかったので、タライに水を入れ沸かしてつかっていたのでのびのび足を伸ばせることについついテンションがあがってしまった。


「では、ドレスを脱がさせて頂きますね」


とドレスに手をかけられびくっと肩を揺らした。

あ、そっか……ドレスって自分で上手く脱げないもんね。と諦めて任せる事にした。

ドレスをぬがし、コルセットがないことに気づいた侍女が不思議な顔になってはいたが、問いかけるでもなく黙々と作業をこなしていった。


「あっ、下着からは自分でします!」


流石に恥ずかしさもあり、下着の手伝いは断ることにした。


「畏まりました。お背中はながさせていただきますね」


こっちのお風呂の入り方もわからないのではずかしいけれど任すことにした。


「お、お願いします」


さくらがそう言うと、侍女たちはニコリと笑い小さくお辞儀をし香油などの準備をし始めた。髪を洗うとゆうことはしないのかな?とシャンプーや石鹸などないので、どうするのかとおもっていると透明なスライム的な液状のものが入った瓶をことりと横の机に置いた。


「え……それはなんですか?」


「こちらは汚れを落とすスライムです」


スライム……魔物とかではなくどちらかとゆうと植物的なものだとゆうことが話でわかった。

こちらを髪をまとめてそこに被せるように使うそうだ。すると皮脂汚れなど綺麗に除去されるみたい。

すごい……欲しすぎるこれ。と感動していると腕をマッサージしてくれている侍女が


「ご挨拶遅れました。私はアニータといいます」


逆の腕を持っている侍女も挨拶をした。


「私はスランと申します」


ふたりはニッコリとさくらに笑いかけた。


「アニータ、スラン、宜しくお願いしますね」


と軽く挨拶するとまたマッサージを開始した。

アニータはオレンジの髪にそばかすのある小リスのようなイメージの女性だった。活発なイメージが表情から伺えた。

スランは水色の髪色に褐色の肌、濃いアンバーの瞳を持った大人しそうな女性だった。


暫くスライムを頭に乗せていると急にぽとりとスライムが外れた。これで洗髪は完了らしい。お湯をながして軽く拭くとしっとりとした髪質に本気でびっくりした。

高級トリートメントパックをしたあとのような感じだった。香油をつけてナタリーが髪を手早く拭き乾かしてくれる。

びっくりするくらいサラサラにった。なれた手付きでその髪をさっと手早く上にまとめて軽くとめた。


ふぁ……と洗い終わってお湯につかっていると

ふと胸元に視線を感じた。その視線をたどって下を向くとそこには花びらを散らしたかのように、赤い鬱血あとが沢山ついていた…

わぁぁぁ!! カインっ!!

かぁっと赤くなるさくらだったが3人とも何も言わないので、見なかったフリをしてくれているとおもうことにした……あまりつけないでって言おう……ぐすん


「ではゆっくりつかってくださいね。冷たいお飲み物をご用意しますね」


もういたれりつくせりで、泣きそうになってしまうさくらだった。


そんな至福な時間をたっぷり堪能し、ナイトドレスに腕を通しながらふと首を傾げた。 


え?王さまに会うのに、ナイトドレス……?

コルセットもつけていない。不安な顔をしているとナタリーはこちらを羽織ったら大丈夫と、厚手のストールを用意してくれた。


浴室から戻り部屋でお茶を飲みゆっくりしていると、入るぞっとゆう掛け声の後カイザーが部屋の中に入って来た。

カイザーが手で合図をするとナタリーたちはすっと頭を下げ足早に部屋を後にした。


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