第27話

「さくら様……カイン様とのことはお聞きするつもりはございません。ですが、王も貴方様を気にかけておいでです……私がこの城に務め始めて王のあの様な姿を始めて見ました。今まで女性たちに興味を持たれたことがございませんでしたので、とても驚愕したと共に喜ばしかったのです」


淡々と語るナタリーを黙って見つめた。

私は王さまに興味があるかといわれたら、今は無い……といえる。だけど嫌いでもない。私はカインに惹かれているからだとはおもう。

だからもし自分を好きになってくれても答えることができない。ってまだ好きといわれたわけじゃないし、自惚れちゃだめよっと心の中で呟いた。

だがその後の話の続きにさくらは驚き口をあんぐり開けてしまうことになった…


「カイン様と夫婦になったとしても、王も受け入れることは可能ですか?」


「え……っ……えぇ!?」


どうゆうこと?一夫一婦制ではないの?


「しかも陛下とカイン様はご兄弟です。仮にどちらのお子様をさくら様がお産みになっても、血筋は確かです」


「いや……あの夫は一人ではないんですか?」


「王家の血をなるべく多く残すためです。妻の数を持つことはもちろん、王が気に入った女性を娶ることは可能です。夫がいても」


「そ、そんな! 無理やり自分のものにするなんて!!」


「いえ、もちろん女性のお立場、お気持ちは可能な限り尊重されます。妻が王家のお手つきになれば夫の地位もあがることもあり一般的にはかなり好意的に受け入れられます。ですが、今現在の王がお気に入りになられた方は皆無でした」


なるほど前世とは価値観がちがうのか…でもひとりで二人を受け入れるとか無理な気がする。なによりカイン嫉妬深そうな気が……ひしひしと。


「そ、そうなんですね。頭の片隅においておきます……」


「ありがとう御座いますさくら様」


そういうと、扉を叩く音が聞こえナタリーがそっと立ち上がった。


「湯殿がご用意できたみたいですね。ご案内します」

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