第8話
「失礼します」
カインはそう言うと王の前に頭を垂れすっと膝をおり跪いた。
「カイン無事でよかった。顔をあげてくれ。昨日何があったか報告してくれ」
王の側には宮廷魔術師が佇んでいた。
「はい。昨日のことを報告させていただきます。昨日私は盗賊の残党を追い込み返り討ちに会い深手を負い意識を失い倒れているところを村人に助けられ、介抱されました。そこで朝を迎えたところ昨日の怪我は一切消えている状態で目をさましたんです。」
王は眉を寄せた。
「カイン、お前は回復魔法はつかえなかったのではないか?」
「はい。そこなんです。回復を出来る魔法師たちは周りにいなかった。とゆうより私一人でした。そこで助けてくれた少女がおかしな事を口にしたんです」
「おかしな事、とは?」
「多重ヒールをかけた……と」
「まさか! ありえんません!」
横に佇んでいた魔術師は声を荒げた。
王は諌めるのようにすっと手をかかげた。
「失礼しました……」
「つづきを」
「はい。その少女は他にも重力軽減魔法をつかい私を家に運んだ……ともいっていました。そんな複雑な魔法をつかえるとゆうことはにわかにはしんじられなかったのですが、件の魔法陣のことを考えるともしかするとあの魔法陣に関係する者……もしくは当人とゆうことがかんがえられるか……と」
カインは眉を寄せだんだん端切れのわるい口調になってきていた。
さくら自身が悪人とゆう印象は全く無かった。むしろたすけてもらい手厚い介抱をうけた。だが、この件に関してどちらにしようと隠しとおせるものではない。と拳をにぎりしめた。
「ただ……その者は悪人ではないとおもいます」
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