2-6. ハルーラの女神像
描写:君たちは扉の先に出る。そこは通路になっているようだ。
GM:ここから先は、地図を開示します。通路の先にはA, B, Cの三つの部屋があって、扉が開かれている部屋が2つ(A, C)、扉がない部屋(B)が1つあります。
アリー:じゃあ、Aの部屋行きます?
ブコー:そうですね。
GM:では、Aの部屋で。
ピュック:ちらり
アリー:ちらり!
ブコー:アツモリ!
描写:部屋の扉は開け放たれており、部屋の中央には宝箱と思われる箱が置かれている。外から見る限り、それ以外には、ぱっと見では何もなさそうに見える。
GM:部屋に入る前に部屋の中を観察する場合は、探索判定です。目標値はシークレット。
アリー:(ころころ)あ、1ゾロだ!
一同:(笑)
GM:アリーは、部屋におかしなところないと確信する。
アリー:「普通の部屋ですね!」
ヴィンター:いや、まだスカウトはいらっしゃいます。ピュックさんは[運命変転]もある。
ブコー:(ころころ)13。
ピュック:(ころころ)14。
GM:14か。ピュックもスカウトでしたね。
ブコー:助かる~。
ヴィンター:「さて、今度は何があるのやら」
ピュック:「先客がいるはずなのに開いていない……?」
GM:ピュックは、この部屋自体が魔法生物であると分かります。魔物知識判定をどうぞ。目標値は14/18。
ヴィンター:「どうです?」
ブコー:「何か違和感が……?」
ピュック:「アリーさんしっかりして。この部屋そのものが罠というか魔物です!」
ブコー:「!?」
アリー:「そうなんですか!?」
ヴィンター:「ほー」
(ころころ)
GM:ヴィンターさんが達成値20ですね。シンカーハウスだと分かります。入ったら戦闘になりますね。入らなければなにも起きません。
──エネミーデータ──
名前:シンカーハウス レベル:8 弱点:物理ダメージ+2点 HP:70 防護点:7
説明:〇擬態 により、部屋に擬態している魔物である。その性質上、防御力の低い後衛にも攻撃をしてくるため、多くのパーティにとって脅威となるエネミーだ。GMにとっては、ダンジョンハック系のシナリオでしばしばお世話になる。
ヴィンター:「なるほど確かに。これは魔法生物ですね」
ピュック:「危ない……」
アリー:「危なかったです……」
ブコー:でも、入らないと。
アリー:宝を三つ奪えって、言われてるもんなあ。
ヴィンター:こことは限らないので、他を先に見てもいいかもしれませんよ。
GM:はい。入るのを後回しにしてもいいですよ。
ヴィンター:もう、ライバルはいないんです。
ブコー:僕たちはアヌビスとは違う! アンコウに食べられてしまったアヌビスとは違うんだ!
一同:(笑)
ヴィンター:「とりあえず他の部屋でも見てみましょうか」
ヴィンター:では、Bの部屋へ。
GM:はい。Bの部屋ですね。
描写:この部屋には扉はない。部屋の中には女性の像が立っていることが分かる。
GM:探索判定をどうぞ。目標値はシークレットです。
アリー:ま、2回連続で1ゾロとかは、ないんでね……。17!
GM:部屋自体には罠はないと分かります。というわけで、入りますか?
一同:はーい、入ります。
描写:部屋に入ると、女性の像の首にネックレスがかかっていることが分かる。この部屋には、この像以外には見たところ、何もないようだ。
アリー:そのネックレスに対して探索判定とか、できます?
GM:あー、なるほど。ちょっと待ってくださいね……。まず、部屋に入った時点で異常感知判定があるので、そこから処理しますね。目標値は15。
ヴィンター:危険感知判定ではなく?
GM:はい。なので、スカウトのみが判定できます。
(ころころ)
GM:成功ですね。では、床に魔法文明語で文章が示されていることに気づきます。
アリー:「見てください! 何か書かれてます」
ヴィンター:「ふむ、これは……」
ピュック:「なんでしょう?」
GM:ヴィンターなら、魔法文明語が読めますね。
描写:ヴィンターには、『奪いたければ、殺せ。それが我らの誓いなり』と読める。
ヴィンター:正直に皆に伝えます。
ブコー:「物騒だな」
ピュック:「奪え殺せ……そこに堂々とお宝……」
GM:そして、ネックレスに探索判定でしたね。目標値は15です。
(ころころ)
アリー:……17!
描写:アリーは、ネックレスを首から取ろうとすると、ネックレスから雷属性の魔法が放出される仕掛けになっていると分かる。
GM:もう少し細かく説明しますね。
ネックレスを取ろうとしたキャラクターは、10秒ごとに「9(16)/精神抵抗力/半減」で「2d+9」点の雷属性ダメージを受ける。これを受けながらネックレスを外す場合は、手が痺れて動かしにくくなるため、30秒(3回)の時間がかかる。また、これは高度な魔法的な罠であり、解除することができない。
GM:さらに追加で、見識判定をどうぞ。目標値は15
ピュック:見識は、なんとか振れるか……(アルケミスト)
ここでは、セージ技能持ちのヴィンターのほかに、出目が走ってピュックも、アルケミスト技能で成功した。
描写:ネックレスは、お宝といって差し支えのない代物だ。ただ、秘宝というほど価値のあるものではない。おそらく最初の部屋にあった像が指していたものだろう。
GM:あとは……プリーストがいましたね。判定が続いてしまいますが、冒険者レベル+知力ボーナスもしくはプリースト技能+知力ボーナス+4で、判定をお願いします。本来は、これは異常感知判定の前に振らせるべきでした。すみません。目標値は14/16です。
ヴィンター:はーい
(ころころ)
GM:みんな出目が良い。じゃあ、全員分かりますね。
描写:この像は、導きの星神ハルーラに似ていると感じる。しかし、この神像からは信仰心を感じることができない。おそらく、この像を作った者はハルーラ信者でないどころか、ハルーラ神に対して嫌悪・悪意を持った人物なのではないだろうか。
GM:はい。というわけで、お好きにどうぞ。
アリー:これを、壊すのかー。
ピュック:なるほど、(奪えというのは)壊すという意味合いか。念のため確認、この像は破壊できそうですか?
GM:はい。できますよ。
ピュック:だよねー! そういうことですよねー!
GM:別に、30秒かけて取ってもいいですけど?
アリー:いやあー……。
ブコー:ちゃんと作ってないなら、壊しちゃってもいいか?
一同:(笑)
ブコー:ヴィンターさんどうなんです? 腹黒そうですけど
アリー:(笑)
アリー:「解除できない罠が、ネックレスを取ろうとすると発動するみたいです」
ヴィンター:「なるほど、中々良い趣味をお持ちのようで」
ブコー:「どうする? 壊さないというなら私が取るが」
ヴィンター:「では、さっさと壊しましょうか」
ブコー:「たくましいな」
ピュック:「第一の剣の神様の像を破壊させる……みたいな嫌なシチュエーショ……えぇ!?」
アリー:「やむなしっていうやつですか……」
ヴィンター:「このようなところに置いておくのも失礼でしょうし、神も許してくれますよ」笑顔
ピュック:「なるほど、そういう考え方なんですね」
ヴィンター:(導きの神故、冒険者を導くために壊されるなら、本望でしょう)
ピュック:では、破壊だー!
アリー:壊しますか。
ブコー:「アツモリ!」破壊
描写:君たちは、像を破壊した。壊れた像の破片と首に掛けられていたネックレスがその場に残る。
ヴィンター:「さて、行きましょうか」
ヴィンター:まあ、こういう感じでしょうね。
アリー:これ、ハルーラ信者の人だったら、悩むなあ。
GM:そうですね。もしいたら、めっちゃ悩むと思う。そうでなくとも、神官なら。
ピュック:そうしたら、残りCの部屋の方っすかね。
アリー:ネックレスを拾って行く感じですかね。
GM:では、ネックレスを拾ってCの部屋へ。
描写:部屋の手前まで来ると、部屋の扉が開け放たれており、部屋にはリザードマンらしき蛮族たちがいることが分かる。何か光るものを宝箱から取り出している最中のようだ。
リザードマンたちは、汎用蛮族語で会話をしている。ちなみに、PC達の中で彼らの言語(汎用蛮族語)を聞き取ることができるのは、ヴィンターだけだ。
リザードマン1:「ようやく手に入ったな。このブレスレットがリザードマンに伝わる秘宝か…!?」
リザードマン2:「馬鹿たれ、そんなわけがあるか! こいつは仕掛け用の道具だ。まあ、愚か者はこれが宝だと思って帰っちまうのだろうよ」
リザードマン2:「……何者だ! オマエラ、人族だな」
GM:皆さんの存在に気づきますね。
ブコー:やはり、アヌビスはいないか……。もしかしたら、と思ったんだけど。
アリー:(笑)悲しいなあ。アヌビス……。
ブコー:何人かいるのかな?
GM:はい、4体いますね。足跡を先ほど見つけています。
ヴィンター:「見つかってしまいましたね。どうしますか?」
ピュック:「気づかれたようですね。蛮族相手にやることは一つ!」
アリー:「ぼっこぼこにします!」
ブコー:「戦闘だね。やろうか」
リザードマン2 「リザードマンに伝わる秘宝を手に入れるつもりか? 身の程を知らない奴らめ!」
リザードマン2「しかも、仕掛けに必要な宝物を持っていやがるな。俺たちのために持ってきてくれたってわけだな!」
リザードマン:「同胞ども! 力づくで奪っちまおうぜ!」
ブコー:「何か言っているね」
ヴィンター:「皆さん、血気盛んですねぇ。まあ、いいでしょう。やるなら徹底的にやりましょうか」
GM:では、戦闘になります。
ブコー:おのれ、よくも、よくも、リザードマン、許せん!
アリー:俺たちのアヌビスをどこに!
ピュック:(笑)
GM:(リザードマンたち、完全にとばっちりだなあ……。)
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