第3話
あ、そういえばね、実はこの間から上流階級の高校生のリアルな生活って実際そんなに楽しいことばっかりなのか?っていうリアリティ番組の企画の取材を受けてるんだよ。地上波じゃないから融通が効くんだって。エスカレーターで受験のない3年生の私たちが主に受けてるの。
もちろん、学校の宣伝も兼ねてのタイアップ。
――インタビュアーの綾瀬です。よろしくお願いします。まずは自己紹介して貰ってもいいですか?
一条若葉:以下、若葉
若葉:「えーとこんにちは。神田高校の3年生、一条若葉です。よろしくお願いします。」
――今回、どうしてこちらの企画に参加してくれたんですか??
若葉:「ああ、私の企画参加に私の意思は入ってません(笑) 私は理事長の娘なので、強制参加ってところです」
――あら、そうだったんですね。参加して下さってありがとうございます。ではまず、リアルな生活の中で恋愛について質問させてもらいますね。ズバリ彼氏は?
若葉:「いませんいません。募集中です。って言ってもあまり自由に恋愛するのは出来ないのかも」
――それは何故??
若葉:「う〜ん、大人の事情?です。私たちの恋愛は家業の相性も必要なんです」
――なるほど。あ、ところで若葉さんは許嫁がいるとか!それこそ上流階級の高校生って感じですけど実際どうですか?
若葉:「実際…。実際は、形だけ、ですよ。私達は。
多分許嫁じゃなくてもいいんだと思います。きっとこういう風なことじゃないんでしょうけど本当は。多分、相手もそう思ってるんじゃないかな…」
今日はここまでってことになった。
元々昼休み1時間のうち、30分を2週間に1回のペースの約束だったから。
インタビュアーの質問を受けて最後の質問につい、本気で答えちゃった。
いまの、使わないでくれるように頼もう…。
そういえば穂高も確かこの企画参加してたはず。
穂高はこの質問、なんて答えるんだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます