国道1号線、午前4:30

『おいワレどこのもんじゃ?』

「ひょえ! 脳に直接語り掛けてくる!?」

『手前もおめえもバケモンだろうが! ビビってんじゃねえ!』

 捕まえた吸血鬼に尋問をする。

 掴んだ脚の骨を上下に揺らし責める。

「いてえっす! いってええええええぁあああ!」

『美味かったかよ生娘の血はよ? お?』

「美味かったです! 美味かったです!」

『気持ち悪いんじゃボケ!』

 びたーん。

 吸血鬼を思い切りガードレールに叩きつけてやる。

 おっいい声で鳴くな。

 びたーん、びたーん、びたーん。

『どうだ? 気持ちいいか? え?』

「……いってえ……っす」

『これから気持ちよくなるんだよ!』

 びたーん、びたーんびびびびたーん。

『どうだ?』

「ぎぎぎぎもぢいィです……」

『気持ち悪いんじゃ百姓が!』

 びびびびたーん。


 ガードレールが吸血鬼の血で真っ赤に染まる。

 きったねえなあ。

 私は空いてる方の鋏で吸血鬼の頭を掴んでやる。


『おいワレどこのもんじゃ?』

「    」

 やり過ぎたな。

 治療魔法を掛けて進ぜよう。

「!?」


『何回いわす? ワレどこの……』「鵜河商会です!」

 鵜河?

 派遣先の競合じゃねえか?

 あちらさんは吸血鬼飼ってんのか?

 ブラック企業だな鵜河商会、魔法少女飼ってる客先とどっこいどっこいだが、こんなの雇ってんのか?

 見る目無いな先方の人事は。

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