第5話 最終回
ちゃんと元の世界に帰ってくれたことを確認して安心する。
神様は優しいね。
貴女はいいことをしたから一つお願いを聞いてくれる、なんて。
心ちゃんのことを聞いて私が助けるって言ったらビックリしてたな。
そろそろ天国に呼ばれるかな?
と、思っていると,,,,,
「あだっ!」
「え?心ちゃん!」
何と上からしんちゃんが落ちてきたのだ。
「ユー!
お前僕のことをかばったんだってな!
お前のお姉さんに打たれたぞ。」
笑いかけながら僕が話しかけると、
「ダメなの,,,,,」
様子がおかしい。
何かあったのか?
いや、違う。
ユーは僕のせいであんなになってしまったんだ。
「ごめん。」
「え?どうして謝るの?」
「だって僕が飛び降りたからユーがこんなになっちゃたんだ。
全部、全部僕が悪かったんだ。
ユーは僕のこと嫌いなんだろ?」
するとなぜかユーは目頭に涙をためて叫んだ。
「違うの!嫌いじゃない!
私がお願いしたから心ちゃんと一緒にいたの!」
お願い?誰にだ?
いや、そんなことは今どうでもいい。
「何で、どうしてそんなに僕にかまってくれるんだ,,,,,」
「それは心ちゃんが助けてくれたからだよ。」
いつだ?
僕はこの世界に来てユーと出会うまで、すべてに関して無関心だった。
そんな時に人助けなんてしてたのか?
「私ね、いじめられてたの。」
それでどうして僕を庇うことになるんだ?
「あの日、心ちゃんが飛び降りた日堤防の下でいつもみたいにいじめられて
いつも以上にひどい事されそうだったの。
その時お財布が飛んできて私をいじめてた子たちはそっちに夢中になってその間に
私は逃げれたの。」
たしかあの時は何も思わなくて通帳なんて作らなくて全部財布に入れてたし、
百均でちょっと買ってそのまま投げつけたからな。
「お礼を言おうと思って追いかけてたら高台まで登って行って何するんだろう?
って思ってたのに,,,,,」
そこでユーの言葉が詰まる。
「急に飛び降りるみたいな感じで策をまたいだからビックリしの。
そのまま飛び降りる前に手を掴めたのにそのまま落ちちゃったの。」
僕は何も言えなかかった。
全部僕の身勝手な行動のせいでユーが,,,,,!
いや待て、ユーは向こうの世界ではまだ生きていた。
だから僕のように生き返れるはずだ!
「僕が生き返れたんだからきっといける!
一緒に生き返ろ,,,,,う。」
ユーの方を見ると後ろから無数の手が天から伸びてきているのが見えた。
何だあれは?
いや、それより今は,,,
「逃げるぞ!」
と言ってユーの手を取り駈け出そうとする。
が、ユーは動こうとしなかった。
「もう、ダメなの,,,,,
お迎えが来ちゃった。」
手に追いつかれユーを持ち上げようとしてくる。
お迎えってなんだよ!
天国にでも連れてい行くのかよ!
絶対にさせるもんか!
「絶対に手を離さないぞ!」
「ダメ!離して!
心ちゃんが怪我しちゃう!」
引き離そうと僕の方にも手が伸びてくる。
そんなに知ったもんか!
ユーを、助ける!
「どうしてそこまでするの!?
私は天国に行くように決められた運命なの!
だから!」
「だからなんだよ!」
驚いた顔もするユー。
手に力を込めて話さないようにする。
「相手の思いがどうだとかいろいろ教えてきたのはそっちだろうが!
僕の思いが分からないのか!」
少しずつ離されていく。
これ以上離されないようにさらに力を込める。
「お前がいたから僕はここまで成長できたんだ!
ここまで思いやりの大切さを理解できたんだ!
自分以上に大切な人を見つけられたんだ!
あといい加減本当の名前教えろ!」
ユーは、少し間を開けて涙目になりながらも微笑みながら告げた。
「私の名前は紅月優華(あかつきゆうか)だよ。」
「優華!」
僕は告げる。
今までで一番大きな、一番重要な、一番大事な、
一番大好きなやつに告げる思いを僕は叫んだ。
「お前のことが好きだ!」
「ふぇ?!」
優華の顔が真っ赤に染まる。
そのまま続ける。
「お前と出会って、思いに触れて、心を知った!
誰かに感謝されると心が温かくなることを教えてくれた!
いつも一緒にいて、笑いあってすごく楽しかった!
だから!」
思いっきり優華を引っ張りながら叫ぶ。
「僕とずっと一緒にいよう!!!」
「うん!」
泣きながら答えてくれる。
瞬間、周りの手が消えて優華がぼくの胸に飛び込んでくる。
「え?どうして?」
「自分で言ってたじゃないか。
思いが強い方が再現されるって。
僕とお前の思いが運命に勝ったんだ。」
「/////!!!」
急に僕の胸に顔をうずめてくる
「何照れてるんだよ。」
「だって私のことが好きって,,,,,
それって告白じゃん!」
「けどうんって言ってくれたじゃないか。」
「言ったけど、私も心ちゃん好きだけど、けどー!」
まったく。
「そういうのは生き返ってから言ってくれ。
さぁ、戻るぞ。」
「うん!」
僕は絶対に優華を離さないように強く抱きしめながら同じように落とし穴に
落ちて行った。
「****!!!」
なにやら隣がうるさいな。
病院の天井を見ながら目を覚ました。
またベットの上にいる。
そうだ!優華は!
急いで飛び起きて隣のカーテンを開ける。
そこには泣いてる優華の姉と目を覚まして起き上がっている優華の姿があり、
目と目があった。
「優華!」
「心ちゃん!」
僕たちは涙を流しながら抱き合った。
僕の『思い』 @Sora_1058
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