第2話 ここから始まる

目を覚ますと僕は自分の部屋のリビングにいた。

おかしいぞ。

昨日確かに飛び降りたはずなのに。

するとキッチンから誰かが出てくる。

ますますおかしい。

僕は独り暮らしのはずだ。

「ん、目を覚ましたね。」

誰だこの人は。

身長的に16~17歳くらいか。

おそらく僕と同い年か一個したくらいの女子高生だ。

「君は誰?」

そのまま僕は口にする。

「それは言えないの。

 だって言っちゃったら面白くないでしょ?」

質問に答えないか。

まぁ何も思わないが。

とりあえず学校に行く準備をするために部屋に向かおうとする。

「ちょちょちょ!どこいくのさ!」

「自分の部屋」

そう端的に告げると僕はドアを開けた。

「なんで外に出るんだよ。」

ドアを開けるとそのまま外につながっていた。

はぁ、とため息をつく。

とりあえず学校に行くか。

そしてそのまま外に出る。

「ちょちょちょ!どこいくのさ!」

「学校。」

そう端的に答える。

さっきもこのやり取りしたような,,,まぁどうという訳ではない。

「まってまってまってって!」

服を引っ張られる。

「何。」

「君は昨日なにしたか覚えてる?」

何だそんな子ことか。

「飛び降りた。」

「そう正解。

 じゃあここがどこだか分かる?」

「しらん。」

確かにここはどこだろう?

まぁどうでもいいか。

「ここは君の精神世界だよ。」

「ふーん。」

「ちょっと!もっと興味持ってよ!」

じゃああれかあ。

死にかけてるってことか。

すると彼女がキャンディーをくれた。

「どっから出した。」

「言ったでしょ。

 ここは精神世界。

 思えば何でもできるんだよ。」

「あぁ、言ったな。

 `僕の`精神世界だと。」

そう言って僕もキャンディーを出そうとする。

けれど,,,,,

「出ない。

 何でだ?」

おかしい何でだ?

「それは君が何も思っていないからだよ。」

「ちゃんと考えたぞ。

 キャンディー出てきてくださいいって。」

「お願いじゃなくて思いだよ。」

何を言っているんだ?

同じことだろう?

「ここでは君に思いを感じてもらいます!

 今まで君はすべてに関して無関心で思いなんて感じたこともなかったでしょ?」

「否定はしない。」

だって事実なのだから。

けど謎だな?

僕の精神世界のはずなのになぜ知らない人がここにいてこの世界のことを知っているんだ?

僕の中で考えがぐるぐる回っている。

「興味持ったでしょ。

 この世界に、わたしの存在に。」

「!」

確かに言われてみれば珍しくいろいろ知りたいと思っている。

これが興味か。

これが思うということか。

面白い。

「この世界を案内してくれ。

 僕は阪井心夢、よろしく頼む。」

「いいねいいね、そんな反応を待ってたんだよ。

 私はユーレイのユーちゃんとでも呼んでよ。」

「え!君幽霊なの?」

ますます気になる,,,,,かな?

まぁ、害がないならなんだっていい。

「再度よろしく。」

そう言って僕は手を差し出す

「こちらこそ。」

と言ってユーは手を取った

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