第2話

定時の巡回中。というか散歩中?かなあ。

ホームの向こう端をのんびりあくびをしながらクロネコがポテポテと歩いてる。

風が吹く。満開のサクラが雪のように降る。

カシャ!

ちょうどネコが大欠伸。そしてノビー。

の瞬間がサクラと共に切り取られる。

今年もサクラだけが季節を知らせてくれる。ランドセルやスーツもない静かな春。

また、山から風が降りてきてサクラを散らす。

「いくら誰も来ないとはいえ、カメラばかりはいけないね」

苦笑いしつつ駅長室へと戻る。

次の電車は2時間3分後。下り線。




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