6話 倉田亨 ⑤
数日後
スマホで、oneのことを調べようとしたら、今年の冬に来日公演決定と出てきた。
えーーーー!!!!まじか!!!!
行きたい!!!!
詳細は未定
なんだよ!!
公演決定でなんで詳細未定なんだよ!!
調べていくうちに、情報が小出しに出てきた。
小出しの情報イラつくな!!
日本でのプロモーターは、ルピアーノ。
ルピアーノ?
珍しいな〜。
サポートバンドとして、Realが出演。
Real!!
ってゆうか、これ!ぜってー須藤桂吾 繋がりだろ!!
すげー!行きたい!
oneを生で見れるなんて、もう そんなチャンス一生に一度なんじゃないか!?
前回 日本公演したのなんて18年前の20周年ツアー以来!
俺、まだ10歳で まだoneに出会ってなかった〜!!
俺が洋楽を聴き始めたのって、中1からだからな〜!
13から聴き始めて15年来のファンだ!
生でエレンの歌声聴きて〜!!
数日後、新聞各紙に全面広告という形で正式に発表された。
one 来日公演決定!!
12月18日(土)
横浜アリーナ
出演サポートバンド Real
PRODUCED by ルピアーノ
oneを呼んで、1公演なの?
何それ!!贅沢すぎんだろ!
ってか、横浜アリーナなんて!すぐ近く!!
これ、行くな!って無理だろう!!
うーん……だけど……Realか……
Realの話にも触れることになるからな……
今の時点で、ゆきがRealのことを知ってるとは思えない。ゆきに、なんとなく言いづらいな……
峻がいるから、ゆきと一緒にってわけにいかないし、そもそも ゆきは洋楽なんて興味もなさそうだけど。
峻につきっきりで、なんの息抜きもできてないゆきを置いて、俺1人でお気楽にライブに行ってきます!なんて、言えねーし……
だけど!行きたい!すごくすごく 行きたい!!
ごめん!お願いします!!って、ゆきに言おう!
行って来なよって言ってくれるのわかってるから、逆に言いにくいけど。
しかも、3万円!
3万円は、かなりの出費だよな〜。
言えないまま、チケット発売日が近づいてきた。
今日、家に帰ったら、話そう。
なんとなく、気が重い感じで帰宅した。
家に帰ると、相変わらず、ゆきは峻を抱っこしながら、部屋の中を歩き回っていた。
「おかえり!」
「ただいま!牛丼買ってきちゃった!」
「ほんと!ありがと!肉食べたい気分だった!」
「あはは!良かった!牛丼か、ねぎとろ丼か迷ったんだ!電話しようかと思ったけど、寝てたらと思って、勝手に牛丼にした」
「あっ!言われたら、ねぎとろ丼も食べたくなった!」
「あはははは!じゃ、明日買ってくるわ!」
「ごめん!全然料理も出来てないし、買い物にも行けてなくて」
「いいよ!俺も最近仕事夜勤多かったから、何もできなくて悪かったよ!」
あ〜〜…………この流れで、ライブに行きたいは、かなり言いづらいな……
「今日ね!ハガキが届いたんだけどさ」
そう言って俺に手渡した。
「何?」
同級会のお知らせ?二つ折りの往復はがきだった。
開いて見ると、
長野ロイヤルセブンズホテル
12月18日(土) 18時30分〜
会費7000円
12月18日!!
ライブの日!!
神じゃん!!
「行って来なよ!前回のあの時以来の、同級会でしょ?あの4年前の?あれ?中学?高校?」
なんか、俺テンション高めかな?
「あっ、中学!だから、そう4年ぶりになるのかな」
「いいじゃん!いいじゃん!久しぶりに実家でゆっくりしてきなよ!じじばばも峻に会いたがってることだし!」
なんか、俺、妻の居ぬ間に浮気しようとしてる旦那っぽいな……
「う〜ん、行ってきてもいい?7000円って高くない?」
「ホテルでやるんだし、そんなもんだろ!美味い肉でるんじゃね〜!信州牛!!」
「あはははは!今、わたし 飢えてるからなぁ!信州牛出たら、食べまくって元とってくるね!」
「じゃ、とりあえずは吉牛で我慢して!」
「あっ!あはは!十分です!ありがとうございます!じゃ、ハガキ出席で出しちゃうね!
とおる、ありがとう」
ありがとうは、こっちのセリフ!!
ゆきがいない間に勝手に行かせてもらおう!!
3万円だけど。
チケット買っちゃお!!
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