21話 田坂朋徳 ④

 今日は、女子が梅原高校での練習試合だ。

俺は、部長だから、一緒に行くことになっていた。

今日は、昨日と違って気楽だし、ひろのところへ行ってみよう。


バスケ部は、第2体育館、新しい方の体育館だって中野が言ってたな。

体育館の入り口で中を見てみたら、やっぱしバスケ部らしかった。

ゼッケンみたいな番号ついたやつをつけてる人が何人かいた。

この人たちがレギュラーメンバー?みたいな感じかな?

バスケのことは、よくわからないけど。


「あのー、すみません!矢沢弘人君呼んでもらってもいいですか?」

入り口近くにいた人に声を掛けた。


すると、体育館の中央あたりでストレッチしてた人が顔をあげ、

「あっ!おい!おーーい!!田坂じゃん!」

と走ってきた。

「あっ!2組だった滝沢か!?

ここだったんだ〜!

ひろに会いに来たんだけど、いるかな?」

「あ〜〜〜〜〜いるけどな〜〜〜〜〜

あいつ、今、ちょ〜〜機嫌わり〜〜から、気をつけた方がいいぜ!!

おまえ、いきなり殴られるかもよ!!」

真顔で言った。

「はぁ?何で俺が殴られるんだ?」

意味わかんねーし。

「うーーーーーん、まぁ、一応気をつけとけよ!いつでも、避けられるようにな!!」

シャドーボクシングのような動きをしながら、滝沢はそう言って笑った。

マジで、どうゆう意味?

そして、デカい声で

「矢沢ーー!!田坂が来たぞーー!!」

と言った。


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