二弾目 ヤケクソになったから爆弾投げてみた!

 ダイナ自作の爆弾を私に渡したまま暫くダイナは自作の爆弾の自慢話をしていた。私が呆れてるのを気づきながら。ニヤニヤ笑って爆弾話をしていた。私は時計を見た。

 2時27分………。

 もうそんな時間。そう思いながらその場を離れ、キッチンに向った。ダイナは話すのをやめ、私を方を見た。食事しなきゃ。すると思った。ダイナにも何か食べさせないといけないのかと。まず警察に連絡するのが先だったろうに私は苦労のせいで冷静な判断ができなかった。だから私はダイナに言った。

「ごめん、コンビニ弁当しかない。」

「え?作んねェーの?」

「そんな時間ない。」

「…明日休めば?」

「駄目だよ。休んだら一ヶ月分の給料が入らないから。」

 憂鬱な気持ちを掻き消しながらそう言った。コンビニ弁当を二つ冷蔵庫から取り出してレンジに入れた。明日また買わなきゃなぁと思いながら時間をセットした。

「社畜じゃん。」

 ダイナはダルそうに言った。私は少し苛立ちながら返した。

「仕方ないでしょ。」

「ふぅ~ん。ハルカ大変だね。」

「社会人はそんなもんでしょ?」

「あー!!これ、ハルカのネックレス?」

 ふと嫌な予感がして声を張った。

「触らないでっ!」

 そっちを見るとダイナはじーっと私を見ていた。そしてクククと喉を鳴らした。ダイナの手元を棚にはゴミと綺麗な蒼いネックレスがあった。

「そんな顔できるんだァ…へェ…。」

 私は恥ずかしくなり俯いて「からかわないでよ…。」と言った。するとレンジがなったからすぐキッチンに戻った。足音がする。

「ハルカ、こんな汚い部屋で過ごしてんだァ…。」

 突然耳元で囁かれて驚いた。バクンッと一回心臓が音を鳴らして心拍が大きくなった。私は離れるようにしてダイナの顔を見上げながらレンジに手をついた。

「クククッ、何?どうかした?」

「………、部屋汚くて悪かったわね。」

 私が俯きながら言うとダイナは笑った。

「いいよ、ゴミ屋敷みたいなもんだし。」

「…し、失礼ね。」

 そんな素直に言わなくてもいいじゃない。

「そんな、言うなら綺麗にしてみてよ。」

「えー?爆弾で劇的リフォーム!!!」

「やめて。普通に。」

「えー?普通にィ?」

 ダイナって本当に馬鹿なのかしら…。いや、人間離れしてるだけかな。

「じゃあさ、普通に掃除したらここに住まわせてくれる?」

「…うん、いいよ。はいこれ。」

 そう言ってレンジから出したコンビニ弁当を資料が散らかった机に置いた。久しぶりに誰かと食事をする。薄暗い照明の下、丸い資料だらけの机に二つ弁当を並べた。

「頂きます。」

 ダイナはそう手を合わせて割り箸を割った。ダイナは私の顔を覗き込むと言った。

「頂きますしないの?」

「あっ、いや頂きます。」

 私も慌てて手を合わせてそう言った。私が割り箸を割るとダイナは弁当を食べ始めた。ダイナは「弁当うめェー。」と言った。私の手が止まったのを見るとダイナは私の顔を覗き込んできた。

「……なんで泣いてんの?」

 冷たく、しかし優しく言う言葉に私は唖然とした。

「え…?」

 頬が生ぬるく湿っている。つぅーと頬の輪郭にそって涙が伝う。どうして私泣いてるの?いつもは最近は泣いてなかったのに。ダイナはじーっと私を見つめる。

「…久しぶりに、誰かとこんなふうに食事囲って話したかも。」

 溢れ出した涙を両手で抑えて俯いた。今まで我慢してたもの、悲しかったもの、見て見ぬ振りをしたものがすべて溢れ出るようで苦しかった。一人で静かに声を上げてなく私をダイナは見ていた。

「明日から無理するの禁止ね。」

 ダイナは視線を弁当に移してそう言った。

「でも、金ないし…。」

「金があっても時間も大量も無かったら何もできねーだろ。」

 と正論を叩きつけるダイナ。なら、なら私は今までなんのために我慢して生きてきたの?私は、一体どうしていればよかったの?

「…もう、どうすればいいと思う?」

 私がそう言うとダイナは「楽しいことすればいいと思う。例えば爆弾投げるとか?」と言った。

「それは駄目でしょ…。」

 私がそう言うとダイナは笑った。そんな新しい環境に慣れないまま私は冗談を平らげた。

 



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