原罪

   原罪つみのもとゐ



賓頭盧尊者びんづるそんじや撫佛なでぼとけ

撫でたうないと云ふたのに

撫でてみやれとおほせにて

つるりと撫でた指先に

ぺとりいたは黑〻くろ〴〵

どんみりねばいやな物

泣きの淚の半べそに

ふつと見遣みやれば冥加みやうがあり

ビリケンさんのあしのうら

ふくふくふくらむ土踏まず

そこにこそこそ擦附なすりつ

あとは毎度の知らぬ顏

三十六計思案より

逃げるが勝ちのらひとて

すたこらさつさのほいさつさ




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