青年期ささたけ(大学生) 小説編その②

 まさかのその②です。


 前回の話で触れた京極夏彦は、どちらかというと私のマイナー志向を刺激した作家です。


 しかしながら。

 私は決して、王道展開が嫌いなわけではないのです。

 むしろ、王道こそ至高であることは十二分に理解しております。


 前置きが長くなりましたが――それでも普段よりは短いんですが――とにかく本題です。




 地下鉄メトロに乗って(浅田次郎 著)




 現代大衆文学における王道中の王道、浅田次郎の初期作品です。


 たぶん、浅田次郎といえば直木賞受賞作である鉄道員ぽっぽやを思い浮かべる人が多いと思うんですが、今回はあえてこの『地下鉄に乗って』を挙げます。もちろん『鉄道員』も好きですよ。

 さて、この作品を推す理由ですが。


 この『地下鉄に乗って』は、私がぼんやりと文章を書くことを意識することになった作品なのです。


 この本を初めて読んだのは、就職活動を控えた大学三年生の冬休みでした。

 当時の私は、特に就きたい仕事もなく、かといってフリーターや就職浪人などが許されるような立場でもなかったので――とにかく将来は働かなければ、ということで頭がいっぱいでした。


 しかし。


 就職してしまえば、今の様に自由に使える時間が無くなるということは明らかです。なので、学生の間に何か少しでも「自分らしいことがしたい」と思いつつ――それが見つからないままぼんやりと暮らしていました。


 そんな中で出会ったのが、この本だったのです。


 特に作品の内容に影響されたわけではないのです。


 文章を読んで感動した――ただそれだけでした。


 しかしその感動は、「一度くらいはこんな文章を書いてみたい」という想いに繋がり、めでたく私はやりたいことを見つけたのです。


 その後、とりあえず何かを創作してみようと思った私は、折しもブログ全盛の時代でしたので、軽い気持ちでブログを始め――最終的にはネタに走ったネタブログとなり、感動云々はどこかへ消え去ってしまいました。


 それはさておき。


 何かを書こうと思った人は、必ず何かを読んで感動した人だと思います。皆さんの中にも、創作を志す契機となった原風景がきっとあるでしょう。私にとっては、それが浅田次郎作品だったのです。

 そんな作品を、今回は紹介させていただきました。


 それでは、また。




 ちなみに。


 今回の記事が、今までとは異なる文体で書かれた理由は――、




酔っ払いの凡ミスです。




 なんで酔ってるときに「ですます調」になるのか。

 普通、逆では――?

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