青年期ささたけ(高校生) 漫画編
小説編では過去の痛い思い出を披露したのだが、今回の漫画編ではそんなことはおそらくないと思う。
というのも、この当時の漫画に関してはあまり思い入れがないのである。
漫画を読んでいなかったわけではない。
金が無くて買えなかったのだ。
当時の私のお小遣いは、なんと月三千円だったのである。一日百円以下だ。そんな状態で小説を買えば、必然的に金は無くなる。
まして当時は思春期真っ盛りである草のDK(男子高校生)である。
余談であるが、紅一点という言葉はもともと「万緑叢中紅一点 動人春色不須多」という言葉の一部であり、「緑の草原の中に咲く、赤い一輪の花。人の心を動かす春の景色に、多くの物はいらない」という意味である。そのため「紅一点」の対義語は「緑一点」となるのでお間違えなく。くれぐれも「白一点」などと言ってはいけない。ご存じの方も多いと思うが、どこに紅一点警察が潜んでいるかわからないので、念のため。
露骨な文字数稼ぎはともかく。
高校生である以上、友人とのカラオケや放課後の買い食いなど本以外にも出費がある。
しかし小説は買いたい。
となれば必然、その他を諦めることになり――結果、漫画を諦めたのである。
そんなわけで、今回は当時立ち読みしていた本について言及する。
はじめの一歩(森田ジョージ 著)
グラップラー刃牙(板垣恵介 著)
鋼の錬金術師(荒川弘 著)
H2(あだち充 著)
パッと見――見事にバトルものばかりである。H2はバトルではないが野球漫画なので、スポーツ=競争と考えればやはりバトルものだろう。もっとも、あれはスポーツ漫画の体裁を取ったラブコメ作品だと個人的には思っているが。
とはいえ男子ならば、誰にでもこういう時期はあるので無理からぬことではある。
この当時は彼女がいたりしたし――無意識下では「強い男になって守るんだ!」とか思っていたのかもしれない。健気だ。そんな健気な恋の結末は小説編に書いた通りである。未読の方は、そちらも読んでみていただきたい。
露骨な宣伝はともかく。
まあ、実際のところは――金が無くて鬱屈としていたのを発散できる、スカッとしたものを求めていただけのような気もする。心が安らかであることと心が晴れやかであることは、似て非なるものなのだ。
そろそろ文字数も厳しくなってきたし、わざわざ私などが改めて紹介する必要もないほどの名作たちなので、個別の紹介は遠慮させていただく。
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