【番外編】少年期ささたけ(小学生) 音楽編
「いい文章を読んでいい音楽を聴くってことは、人生にとってものすごく大事なことなんです」
かの有名な村上春樹は、このようなことを言っていた。
まあ、上記の台詞は彼がSNSを見ない理由について言及したものであるが。なんでもSNS上にはまずい文章があふれているからとかなんとか。
それはともかく。
今回は番外編として、音楽と読書の繋がりを書いてみようと思う。
さて皆さんは、読書をする際に音楽を聴かれるだろうか?
世界観を盛り上げるためにBGMとして聞く人。
文章に集中したいから音を断つ人。
様々であると思う。
別に貴賤や善悪があるわけでもないので、その人なりの読書のスタイルは尊重されるべきだと個人的には思っている。
ただ――私個人としては、読書に音楽は欠かせない。
音楽と読書の親和性に気付いたのは小学生のころであった。
前回のエピソードでも書いたのだが、小学生の時分の自分は主にギャグ漫画を読んでいた。
そんなある日、同じ部屋で姉が当時流行のJ-POPを聴いていたのだ。たぶんB’zだったと思う。氷室京介だったかもしれない。スピッツだったような気もする。いやきっとミスチルだ。
詳しい楽曲は定かではないが、とにかく――九十年代特有のゴリゴリのロックミュージックやノリノリのバンドサウンドが、疾走感のあるギャグ漫画の上に覆いかぶさってきたのである。
その瞬間、ものすごいことになった。
漫画のテンポに音楽のリズムが加わることで、ギャグが炸裂するように読めたのだ。
そして私は悟りを得たのである。
「音楽スゲー!!」
――しょせんは小学生の体験なので、この程度の感慨であることはご容赦願いたい。
そんな悟りというのもおこがましいような小さな悟りではあったが、私の中では大悟に等しい体験であった。
以降、私は本を読む際には音楽を意識して流すようになった。音楽と読書がピタリと一致し、世界を組み上げる瞬間がたまらなく好きになったのだ。
さて、当時私が好んで聴いていた音楽は以下のようなものである。
愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない(B’z)
ロビンソン(スピッツ)
KISS ME(氷室京介)
イノセントワールド(ミスチル)
――古い。
しかし、このときに出会った音楽は今なお読書や創作時のBGMとして、私の傍らを流れ続けてくれている、現役の音楽でもある。
ただし――つい過去に浸って手が止まりやすいのが難点である、が。
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