第4章

悪魔やハンターと闘い誘拐された二人の救出劇


1


ピーターとロビンを救出する為に船内に侵入したニコルだが、


悪魔のマモンに見付けられて、

透明装置を壊されたあと、姿を現してしまい対面状態になってしまった、


跳びかかって行ったのだが、

念力によって空中で止まってしまうと、そのまま壁に押し付けられて身動きが出来無くなっている。


「ほう、お前はあの子の母親か」


「何で解るのよ?」


「わしには全てを見透せる、残念だが此処で終わりだ」


すると、壁の上に張付いていた体を床に下ろして、目から赤いレーザービームをを出すと、銅像になってしまった。


その様子をピーターとロビンが見ていて、

「ママが茶色になって、動かなくなっているよ」


「ママは大丈夫だよ、きっと助かるから」

ピーターを抱きしめている。


その頃外では、闘いの真っ最中であった。

【イアンVSエイリアン人間リアン】


イアンは速さと俊敏せいには自信があったのだが、リアンはそれに勝る特殊能力を持つていて、

五メートルの範囲なら瞬間移動が出来る。


イアンがパンチやキックを繰りだすと、当たる瞬間に消えてしまい、後ろから来る攻撃を察知して、


防御しながら蹴りを出すとまた消えたあと、尻尾が横腹にヒットして弾き飛ばされた。


「何だか不思議な能力を持っているんだな」

イアンが声をかけると、


「カ、カ、カ、いくらお前が速く動いても、俺を捕えるのは無理な事だ、じっくりいたぶって殺した後お前を喰って殺る」


「お前なんかに喰れてたまるか!!」


レーザーソードを出すと片手に持ち、手を広げて高速回転をしながらつむじ風の様に近付いて行くと、

羽を広げて頭の上に浮いている、ジャンプをして切り付けると見せかけて、回転を変えて足元を切ると、瞬間移動をした出会い頭に、ソードがヒットしたのだが、

リアンも防御膜を張っていた。


「カ、カ、カ、惜しかったな、お前の攻撃は効かないぞ、今度は俺から行くぜ!」


目の前から消えたあと、背後に現れて、口から粘着せいの強い液体を両足にかけられて、

逃げられ無い状態になり、倒れ込むと、キックや尻尾で執拗な攻撃をして来た、


イアンも防御膜を張っているので、ダメージは全くないのだが、

殺られた振りをして、フルフェイスを解除して顔を出していると、


「カ、カ、カ、やっと観念した様だな、旨そうだお前を頭から喰って殺る」


ヨダレを出しながら、大きく口を開けた瞬間、レーザーソードが咽を突き抜けていた。


【勝者、イアン】


「よし、また勝った、苦戦をしていたが良くやったイアン」


「グワ、何やっているんだ、また殺られたじゃあないか、どういう事だ!」


「ゲゲ、申し訳ありません、お気を静めて下さい、朗報が有ります侵入した強い女をマモンが銅像にしたので、後の奴らもカタズケてくれるはずです」


「そうか、そんなに強いのなら期待出来そうだな」


イヤミはその場をしのぐのに、必死になっている。


【リリーVSデビルと人間のハーフビル】


リリーは十五才からハンターになって、十六才の時ジンから以来が在り、仕事の傍ら五年間、イヤミとドロンの動向を調査していたのだ。


その為ハンターや殺し屋はもちろんの事、ビルの特長も調査済みなのだが、


悪魔が相手となると簡単な事では無いので、

専門店に行って悪魔を退治する方法と、色々ある武器の中から、拳銃とナイフを選んで闘かう事にしていたのだ。


「おいお前、悪魔らしいな、可愛い角を生やして要るじゃないか!」

リリーが怒らせる様にけしかけると、


「私に舐めた口を叩くと、後悔する事になるよ!」


「へー、面白れー何が出来るかやってみろ、このどぐされ女め、偉かったら俺を捕まえてみやがれ!」

いきなり走り出した、


血相を変えて追いかけて来て、

真横に並ぶと、グローブ位大きくて鍵づめが生えた手が、長く伸びて捕まえようとしている、

上手く避けながら角度やコースを変えて、俊敏に動いて走り続けていたが、

足首を捕まれて空中で大きく円を描く様に振り回され、地面に叩き付けられてしまった。


「ちくしょう!!イッテーじゃないか!!」


「お前はバカか、なに走り回っているんだ!」


両手が伸びて捕まえに来たところ、背中から剣を出して切り付けると少し切れたものの、すぐに再生してしまったのだ。


「やっぱりダメか」


「無駄、無駄そんな物じゃあ私を倒せ無いよ」


「そうか、じゃあこれならどうだ!」

拳銃を構えると、


「それも私には効かないよ」


二発弾丸が発射されると、ビルの目にはスローモーションの様に見えるので、一発は避けて二発めは右手で受け止めると、弾丸が弾き返された。


「どうした、それで終わりなのかい」


リリーがニヤリと笑みを浮かべて、残り四発を発射すると受け止めようと両手を広げていたが、

「ギャー、!」

と叫び声を上げたあと、


「私の左手に穴が開いているよ!!」


一発だけ対悪魔用の弾が入っていたのだ。

「痛いだろう、その弾高かったんだぜ夜店で買ったんだ」


「このアマー、全体に許さん!!」


急に体が大きくなり顔が変形すると、狼の姿になって、

「ウォーッ!」

と雄叫びを上げている。


その間に残りの弾五発分を挿入しながら走り出すと、凄いけんまくで追いかけて来たところへ、


弾を一発打つと左足に命中して、「ギャー!」

と叫び転がっている、


そのまま走った後動きを止めて、ビルが向かって来る方向に体を向けて立っていると、

近付いて来て、


「よくも私をこんな目に遭わせてくれたな、絶対に許さん喰い殺してやる!」


「バーカ、まだ弾が残っているんだ、死ぬのはお前の方だ!」


顔は狼のままだが体は人型になっていて、両手を広げると何故か右腕が消えている、


リリーは拳銃を構えて立っていると、頭の右上から腕が出てきて、振り向いた瞬間、拳銃をしゃくる様にもぎ取られた。


「あー!ヤられた、油断大敵だぜ」


「ほー、これが悪魔退治の拳銃か」


銃口をリリーに向けると、全弾発射して来た、

咄嗟に透明シールドを出して身を守った後、


「へん、もうそんな物要らね~よ」


「何を強がっている、ケガをしていてもお前に勝ち目は無いぞ‼️」


「そうかな、周りを見てみろ」


手に持っている機械のスイッチを押すと、

ビルを中心に赤い光りが走り、五ぼう星のマークが浮き上がった。


「あー、此れはまさか!!」


「そうさ、このスットコドッコイ、俺は伊達に走り回っていたんじゃないぜ」


このマークは悪魔封じの結界なので、中に入ると出られ無くなる。


リリーの体が強大化して、

肩までの髪が二メートルに伸びると、頭の回りをぞわぞわとうごめいていて、

額には立派な角が二本生えている。


「さあもうお前はカゴの鳥だ、観念して念仏でも唱えやがれ!」


右手に悪魔を殺せるナイフを持って、ゆっくり近付いていくと。


「何だ、その姿は、こっちに来たら噛み殺して殺る!」

リリーの殺気に恐怖を感じて、震えている、結界が有る為に逃げる事も出来ない。


両手が伸びて顔に襲いかかって来たが、髪が縄の様になって巻き付いたので、動きが出来ない状態になっている、


更に近付いて行くと、

噛みついて来たので、鼻先をナイフで切り付けると、


「ギャー!」と叫び声を上げた、

左手でアゴを持ち上げて首に突き刺した後、喉を切り裂いたのだ。


「グワーッ!!」と断末魔の叫び声を上げたあと、舌をだらりと伸ばして地面に倒れ込んでしまった。


【リリーの完全勝利】


2


「おーヨシヨシまた勝った、強いぞ鬼族」

キャプテンは小躍りして喜んでいる。


「グワー!何でこうなるんだ、宇宙でもっとも強い奴らを集めたと、言ったじゃないか、あーん!」


「ヒエー面目ありません、まだ魔術師と強い悪魔が残っています、もう少しの辛抱です、期待して待って下さい」


「本当に信用していいんだな」


「はい、最後には必ず勝ちます」

予想外の敗北に戸惑ってしまい、冷や汗が止まらない状態なのだ。


船の外ではジムが待機していると、ジンがやって来た。


「やあ、中の様子はどんな感じ何だ」


「それなんだが、悪魔がいて不思議な能力を持っているから、うかつに行動出来ない状態で、中でニコルの信号が止まって点滅したまま何んだ」


「そうか、俺は三百メートルの範囲なら、気配を感じる事が出来るから入ってみようか」


そこにイアンがやって来た。


「やあ、二人で作戦でも練っているのかな」


「まあそんなとこだ、イアン良い所に来た俺と一緒にこい」

二人は中に入って行った。


すると、リリーがやって来て、

「黒い人何やっているんだよ」


「今イアンとジンが中に入って行ったところだ」


「じゃあ俺も入る」


「ちょっと待ってくれ、

中に強い悪魔が網を張って待っている様だ、

うかつに行動すると全員が殺られる可能性があるから、ちょっと様子を見た方がいいと思うんだが」


「何を弱気な事を言っているんだよ、俺は悪魔を殺せるナイフを持っているんだぜ」


ジムがフルフェイスを解除して、

リリーの顔をじっと見つめると、

何故かいままで興奮していた気持ちが落ち着いてきた。


「分かったよ、ちょっと様子を見ていたら良いんだろ」


リリーは十才の頃両親と一緒に、大型の観光飛行船に乗って楽しい旅の途中で、

海賊団に襲撃された事によって、船は墜落して両親が無くなってしまった。


奇跡的に助かったのだが拐われてしまって、

そのあとに金持ちに売られて行くと、奴隷になってしまったのだ、のちになって、

十三才の時、鬼の力が覚醒して主人を殺したあと、


親戚になるジンの親を訪ねて行き、ジンに修行を付けてもらったのだ。


ジムの透き通る様な目を見た瞬間、何故か父親とだぶると同時に、トキメキを感じて胸騒ぎがしている、

こんな感情は初めての事だ。


中に入った二人は、

「ふむ、どうやらニコルは何かの力で、動けない状態になっている、生命反応は小さいが大丈夫の様だ、その近くに子供とお前の弟と思われる反応があるぜ」


「じゃあ、そこに行こう」


「いやちょっと待て、何者かがこっちに来るぞ!」


すると、壁を通り抜けてマモンが姿を現した。

二人は身を構えて攻撃態勢に入っている、


「ハ、ハ、ハ、良く来たなちょっと遊んでやろうか」


イアンがレーザー銃を打つと、

体を通り抜けて壁に当たっているだけで、平気な顔をしている、

今度はレーザーソードを出して、切りかかって行ったが、

金縛りになった様に体が動かなくなっている。


「もう良いかな」

目から赤いレーザービームが体に当たって、銅像になってしまった。


ジンは腰を低く構えて、左手で右の手首を握り、右の手のひらから渾身の気功波を出したが、

体が一瞬歪んだだけで平気な顔をしている、


「ん、いまのは気功波か、そんな物じゃあわしを倒せんぞ」

なす術が無くなり、銅像にされててしまった。


外にいる二人は、

「まずいな、二人共動かなくなっているやられた様だ」


「何だって、やっぱり俺も行くぜ、止めても無駄だからな」


「そうだな、無茶を承知で行ってみるか」


「あっそうだ、あんたの名前何だっけ、出発の時に聞いたけど忘れちまった」


「私の名前はジムだ、おたくはリリーだったよね」


「何だヨー、名前を覚えてくれてたのかー、メッチャ嬉しいぜ♪」


二人が中に入って少し歩くと、ジンとイアンの銅像が見えて、近付いて行くと、


「あー、何だこれは生きているのか?」


「大丈夫だ、生命反応があるから生きてはいるようだ」


すると、また壁からマモンが姿を現して、

「ほー、また来たか今日は大漁だな」


「こらー、お前か俺達の仲間をこんな目に合わした奴は、ぶち殺されたくなかたっらさっさと元に戻しやがれ!!」


「うるさい女だな、お前も銅像にしてやる」


目からビームが出た瞬間にジムが

リリーの前に飛び出して、銅像になってしまった。


「よくもやってくれやがったな、

変な能力を使わずに正々堂々と闘いやがれ!!」


「おや、お前かビルを殺したのは、いやいや大したものだ、

そういう事ならお前の口車に乗ってやっても良いかもな」


その頃外では壮大で、異次元な闘いが始まろうとしている、


【ジソンVS魔術師ウィザ】


丘の上にジソンが立っていて、

少し離れた場所にブラホがいる、

空中にはウィザが浮かんで、

二人の様子を見ていた。


「俺様の相手は誰がするんだ、二人一緒でも良いんだぜ‼️」


「図に乗るんじゃない、お前の相手は私がする」


「坊主頭か、じゃあ行くぞ」


両手を広げて手を高く上げると、急に雲行きが怪しくなり、


分厚いカミナリ雲が発生すると、空が真っ暗になったとたんに、

横殴りの大雨が降り出して、

まるで台風の様な状態になってしまったのだ、


雲の中ではゴロゴロとカミナリの音が鳴り響いている、

ウィザがまるでオーケストラの指揮者の様な仕草をしながら、


人差し指をジソンに向けた瞬間、「ピカピカ」「ゴロゴロ」「ピシャーン」「ズッドーン!!」爆弾が破裂したかの様な物凄い音と共に、カミナリが直撃したのだが、

何事もなかった様に、涼しい顔をして立っている、


「何だと、カミナリが直撃しても平気なのか!!」

続けざまに、「ズッダーン」「ズッドーン!!」十発落としてみたが変化が無いままだ。


「クソー、こうなったら極大魔術だー!!」

指先で空中に何かの絵を描くと、火を吹く全長百五十メートルの、強大なドラゴンが現れたのだ。


「ブラフマー様、強大な怪獣が現れましたね、大丈夫でしょうか?」


「ホ、ホ、ホ、心配する事はありませんよ、面白い事が起こりますから、まー観ていて下さい」


「そうですか、わかりました」


ドラゴンが「ギャォー!!」と大きく叫び声を上げて、火を吹きながら近付いて行く、


頭の上にはウィザが乗っていて、大きく口を開けて噛みつこうとした瞬間、

ドラゴンが怯えて一歩後ろに下がり、座り込んでしまったのだ。


「何だ、何をしている、何故怯えているのだ?」


不思議に思い、ジソンの方を見ると容姿が別人になっていた、


「誰だどうなっているんだ、まてよひょっとしたらお前は、地獄の閻魔なのか!!」


「バカメ今頃気づいたか、このうるさい蝿め地獄へ堕ちろ!!」

大王の字が書れた帽子を被っている。

すると右足を上げて下ろすと、天空から、とてつもなく強大な足が降りてくると、


「ウワー、何だこれはちょっと待ってくれ、助けてくれー!!」


無残にも、踏み潰されてしまったのだ。


【ジソンの完全勝利】


3


「うわー、やったやった、まるで映画の様な凄い闘いだったな」

大興奮のキャプテンなのだ。


マモンはウィザが殺られた事を感知して、相当レベルの高い奴だと感じていたのだ。


「おい女、お前と遊んでいる暇が無くなった様だ、悪いがこれで終わりだ」

リリーを銅像にして外に出て行った。


「グワ、おい映像が切れたじゃないか、また負けたようだな、悪魔はどうしているか兵隊に様子を見させてこい」


「ゲ、ゲ、わかりましたちょっと行ってきます」

バツが悪いので、急いで部屋を出て大きくため息を吐いていた、その後兵隊に様子を聞いて部屋に戻り、


「廊下にある銅像が五体になっていて、悪魔は外に出て行ったみたいですぜ、部屋に戻ってモニターで見物しましょう、ゲ、ゲ」


「グワ、そうか中々やるじゃないか早く行こう」


マモンは外に出てジソンを見ると驚いて、我が目を疑った。


「お前は閻魔大王なのか!」


「ワ、ハ、ハ、そうだお前と会うのは十万と二千年振りだな」


「何でこんな所にいるのだ?」


「わしの上司に喚ばれたからだ」


「何が起こっているのか知らんが、俺はまだ還らんぞ」


「まーそう言うな、わしも仕事が忙しいんだ一緒に還ろう」


懷から白い巾着袋を出して、口をマモンに向けたところ、

体から黒い瘴気と、悪が袋に勢い良く吸い込まれて行って、真っ黒に染まって行くと、


悪が無くなった体は、ヨボヨボのおじいさんになってしまったのだ。

閻魔はマモンの体を抱きかかえると、


「ブラフマー様、私はこれで失礼します」


「はいご苦労様でした、ご機嫌宜しく」


地面を杖で突くと輪っかの音が、

「チャリ~ン」と鳴り響いて、地面に穴が空いたあと、ゆっくり降りて行ったのだ。


マモンの力が無くなった瞬間、

銅像になっていた全員が元に戻っていた、


気が付いたニコルは、

「あれ、私どうしたんだろう?」


戸惑いながらも我に帰った途端に、悪魔がいないか周りの様子を見たあと、監禁室の見張りをしている兵隊二人を倒して、部屋のカギを奪って中に入ると、


「ママー会いたかったよー」


抱き付いてきて泣き始めた。


「ゴメンゴメン、大丈夫もう二度と離さないから」


ピーターを抱きかかえたまま、

ドゴンを抱いたロビンと一緒に走りながら、兵隊をレーザー銃で倒して行くと、

船の外に出て脱出に成功したのだ。

皆が集まっていてイアンが、


「ピーター、ロビンお帰り、大丈夫だったか無事な顔が見られてほっとしたよ、本当によかった」


「兄ちゃんピーターは偉かったよ、ワガママ一つも言わず、ずっと辛抱していたんだ」


「そうか偉いぞピーター、良く頑張ったな」


「うんドゴンも一緒に頑張ったよ」


そうこう話をしていると、船が浮き上がり飛び立ってしまった。


「あー、あいつらー逃げやがった早く追いかけないと、きっとまた仕返しに来るゾー!!」


リリーが声を出すと、


「ホ、ホ、ホ、あ奴らの魂胆は分かっておる、わしに任せなされ」


ブラホが杖で地面を叩くと、空間が開いて中に入って行った。


「グワー、何だ何だどうなっているんだ、お前の連れて来た奴らが全員負けたじゃないかー!!」


「ゲ、ゲ、ゲー申し訳ございません、まさかあの悪魔まで殺られるとは、もうこうなったら最終兵器を使いましょうか」


「グホッあれか、あれを使うのか、本当に使うのかグホ、グホ、グワ」


「ケ、ケ、ケ、もうこれ以上屈辱を味わいたく無いですから、一発デッカイ奴をブチコンで殺りましょう」


「グァッそうかそうか、例の一番デッカイ奴を使うんだな」


「おいお前、百メガトンミサイルを準備しろケ、ケ、ケ」

【原爆の三千倍】


二人は屈辱の連続で最終手段を使う事にしたのだった。

そして三分後にミサイルが発射されると、ブラホが急に現れたのだ。


「グァッ何だ、例のじいさんが急に現れたぞ!!」


「ケ、ケ、なーにジジイもろとも木っ端微塵になりますぜ」


ブラホに当たった瞬間に、ミサイルが逆戻りしてきた。


「グワァー何だ、何で戻って来るんだ〰️‼️」


「ゲ、ゲゲー、チクショウーこれで終わりなのかー!」


大爆発をして、宇宙の塵になってしまったのだ。


ブラホは一足先にキャプテンの元に戻ると、


「ブラホさんお疲れ様でした、

貴方がたのお陰で全員無事に帰還する事が出来ました、

何とお礼をしたら良いものか、何か欲しい物があれば何でもおっしゃって下さい」


「ホ、ホ、ホ、わしはそうゆうのは苦手なのじゃ、気をつかはなくても良いぞ、お達者での」


杖で地面を叩くと消えてしまった。


ホープの心の中に二人が還ると、


「ブラフマー様ありがとうございました」


「ホ、ホ、ホ、私もあなたと一緒になれて、久しぶりに楽しい時間を過ごせました」


「もうお還りになるのですか」


「はい私も仕事が有りますから、

また何かあれば何時でも呼んで下さいね、ではご機嫌麗しく」

ブラフマーは天界へ還って行ったのだった。


全員が帰って来て、


「皆さんお疲れ様でした、

全戦全勝の素晴らしい闘い振りで大変感動をしました、

また今回の親玉のカエルとトカゲ人間達は、ブラホさんが退治してくれたのでもう安心です、

それと私達には良い仲間がいる事を誇りに思います、

最後に全員が無事に帰還出来た事が何よりも嬉しい事なのです、


あと別室に料理と飲み物を沢山用意して有りますので、ごゆっくりして行って下さい」


皆が移動を始めたのだが、


「ようキャプテンさん、ちょっと聞きたいんだが、ジムさんの姿が見えないんだけど知らないかい」


「ジムはホープの中の特別室で眠っているよ」


「何だって、具合でも悪いのかい、俺が行って看病してやろうか」


「そうゆう訳では無いのだが」


「会いたいから早く起こしてくれよ」


ジャックは困ってしまって

「ではホープに聞いてくれないか」


「おいホープ聞いているかい、

ケチな事言わずに、ジムさんをちょっとだけで良いから、起こしてくれよ」


「リリーさん残念ですが、ジムは何か事件が起こる迄、起きる事はありません」


「何だと、そんなバカな俺が初めて好きになった人に、会えないなんて」


横で黙って聞いていたジンが、

「何か事情があるんだろ、皆が待っているから行こうぜ」


「ようし分かった、徹底的に呑んで酔い潰れてやる」


「ワ、ハ、ハ、俺も付き合ってやる、とことん迄呑もうぜー!♪」


その後キャプテンの乾杯の音頭で宴が始まり、

今日の出来事や、勝利に酔いしれながら宴会は続いていた、


「ヨー、今回の懸賞金額を教えてやろうか」


「どんな内訳なんだ」


「そうか、聞きたいんだな驚くなよ、カマキリ女が一億、

サイボーグとメタル人間、エイリアンが二億、

デビルのビルが三億、一番高いのが魔術師ウィザ六億、

合わせて十六億キン何だぜ!!」


「ほー、それは凄い金額だな」


「本当は後で驚かすつもりだったけど、ジンに半分やるからな」


「それは何とも気前が良いな」


「俺はそれよりも、ジムのハートが欲しいんだー!」


手に持っていたロックグラスに、

度数九十の酒を並々とついで、

一気に飲み干したのだ。


イアン達が帰った後も二人は夜明け迄飲み続けていた。

それから二日後に、ジン達はキャプテンに、お土産を沢山貰って帰っていったのだった。


ある日ニコルが真剣な顔をして、


「ちょっと大事な話しがあるの」


「どうしたの、あらたまって」


「実はわたし、妊娠しているのよ」


「へーそれは凄い、嬉しいよ、ピーターがお兄ちゃんになるんだ」


「なにー、ぼくがどうしたの?」


「ママのお腹に赤ちゃんがいるんだって」


「えーほんとうに」


ニコルに抱き付くと、お腹に手を当てて優しくさすっている、


その仕草を見ながら、悪い事もあれば良い事も在るものだと、

しみじみ思う二人であった。


次回最終章につづく

伝説の都アトランティス

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る