第7話 一つの真実
「この世界を本来の在り方に変える、、、?何を言っているんだ、、?」
スカーという謎の男が属する組織、ケルベロス。本来の在り方に変えるという表現を使ってることから、今は本来の姿ではないということなのだろう。真実は知らないが。
「それと俺たちを拉致することに、どういう関係があるんだ、、?」
そうやって恐る恐る声を上げたのは、カレンという女の子のそばにいた少年。
「ほう、この状況で声を上げることができるとは。貴様名前は?」
「ガント、、ガントだ。名前は言ったぞ!早く俺たちを元の場所に返せ!!」
ガントという少年の叫びも虚しく、スカーたち組織から嘲笑う声が聞こえる。
「威勢のいいことだ。それくらい元気でなきゃこの先やっていけないだろう。……見るからにやはりいい逸材が揃っている。これからが楽しみだ。」
「。。発言、いいですか?」
「ほう、、貴様は俺の睡眠魔法を自力で解いた少年か。いいだろう、発言を許す。名前は?」
「ヴァンです。これから楽しみだ、と言っていましたが。。そろそろ俺たちを拉致した目的を知りたい。いや、教えていただきたいです。」
そう、スカーの発言から推測すると、俺たちを拉致して奴隷として売り捌くことや、単なる労働者としてこき使う目的ではないと考えた。それにこの組織のいう、本来の世界の在り方というのも気になる。
「まあ、そう焦るな。順を追って説明してやる。貴様らのその小さい脳で必死に理解し、真実を受け止めろ。」
そう言ったスカーたちの話す内容は、とても俺たちが想像できないほどのものだった。
ーーー
「元々この世には、ここアストラダム以外にいくつもの世界が存在している。
世界とは、神々が元々一柱につき一つ管理しているもので、一定の時期にその世界ごとの評価を出し、神々の間で勝敗を比べる遊びのためのものだった。
神が増えるたびに世界が増えていき、遂にはこの世の容量を越えるほどとなってしまった。
そこで神々の長である、この世そのものの創造神が、評価で低かった世界を消滅させていくことにした。
そうして管理する世界を失った神たちが怒り、震え、そして閃いた。それは同志たちで集まり名を堕神族と変え、創造神に復讐すること。
その後この世では、神々の争いが勃発。ある神は世界そのものを奪われ利用され、ある神は自分が愛した世界を、醜いものに変え、戦闘にすら使った。
この世が崩れ去るのも時間の問題だった。
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